15分で1万4000円分…“NEWゴールドラッシュ”に沸く米国 日本は温泉水から金“採掘”【もっと知りたい!】(2023年8月30日)
金の国内小売価格がまた過去最高値を更新し、初めて1万円を超えました。アメリカでは、200年ぶりのゴールドラッシュに沸いています。
■砂金探し「今年の予約は50%~75%増えた」
1グラム1万円を超え高騰が続く金価格。日本とアメリカで今、金を求めて、人々が熱狂するゴールドラッシュが起きています。
1800年代半ば、ゴールドラッシュに沸いたアメリカ・カリフォルニア州。今、砂金を探すため、全米から多くの人が集まっています。
サンフランシスコから:「できるだけ、たくさんの砂金を見つけたい」
ガイド:「今年の予約は約50%~75%増えていますね。明らかに“NEWゴールドラッシュ”の影響です」
この冬、記録的な大雨が降ったカリフォルニア州。その影響で、川底の岩が削られ、堆積物が押し流されたため、これまで採れなかった金が、表層に現れたというのです。
その結果、200年ぶりの“NEWゴールドラッシュ”に沸いています。
■わずか15分で…1万4000円分の“金”発見
しかし、本当に金がとれるのでしょうか?取材陣は、伝説的な砂金掘りチームに同行させてもらうことにしました。
金採掘用具店の3代目 アルバートさん(45):「金物店を経営しています、アルバートです。よろしく!」
スコップや金属探知機など金を掘り出すための道具を販売する店の3代目、アルバートさん。ゴールドラッシュ真っ只中の1852年に開店。先祖代々、金を掘り続けています。
さらに、強力な仲間がいます。砂金採取の技術を競う大会で世界1位になったファジーさん(77)と、川に潜って金を探すのが得意なクリスさん(48)。この最強メンバーとともに、NEWゴールドラッシュを体験します。
やってきたのは、カリフォルニア州北部を流れる大きな川。
川底の土砂を掘り始めると早速、ありました。指先ほどの大きさの金の粒。さらに、力石記者が、川底の土砂をふるいにかけると、金の塊が6個ありました。
チームはわずか15分で、なんとおよそ1万4000円分の砂金をゲットすることができました。
■日本では“都市鉱山”から金
一方、日本国内でも“新しいゴールドラッシュ”が…。
アステック入江 小森裕司工場長:「こういった電子基板から、我々の技術で金を回収することができます」
福岡県北九州市の「アステック入江」が狙うのは、使用済みの家電製品などの山、いわゆる“都市鉱山”に含まれる金です。
国内の都市鉱山には、世界の2年から3年分の消費量に匹敵する金やレアメタルが眠っているといわれています。しかし部品が小さく、種類も多いため、これまでは人の手で分別するしかなく、効率の悪さが課題となっていました。
そこで3年の試行錯誤の末、新しい機器を開発しました。たくさんの部品がついた基盤を機械に入れると、わずか12秒ですっかり部品がとれた板が出てきました。
基盤に高温の水蒸気を吹きかけて、接着しているはんだを溶かし、部品を外すことに成功したのです。
さらに、AI(人工知能)による自動化を実現しました。
小森工場長:「こちらが“AIセレクター”」
AIが0.1秒に1個の速さで部品を画像認識し、金属ごとに判別。空気で飛ばして、仕分けていきます。
こうして集めた部品を塩化鉄の溶液につけて余分なものを溶かすと、大量の金が取り出されるのです。
■“温泉水”から金を回収
驚きの場所から金を取り出す新技術もあります。
IHI 福島康之主任研究員:「こちらは、温泉から採取したラン藻の培養。これで金がとれます」
重工業大手のIHIと海洋研究開発機構の研究グループが成功したのは、藻のシートを使った、温泉水からの金の回収です。
金属を吸着する仕組みをもつ藻を培養してシート状にし、温泉水に含まれる微量の金を吸着する仕組みを確立しました。
去年、秋田県の玉川温泉で行った実験では、藻のシート・1トンあたり、最大30グラムの金を確認。世界の金鉱山でとれる金は平均、鉱石1トンあたり数グラム。藻のシートは、鉱山よりも効率よく金が回収できるというのです。
福島主任研究員:「温泉や海など、本当は金が溶けているが、(金の)濃度が低く、有効利用できなかった分野が多い。うまく採算が合う形で、有効利用できたらいいと思う」
(「グッド!モーニング」2023年8月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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