集団略奪に店が“ショットガン対抗” カートごと奪われ…シャッター溶接も(2023年8月29日)
アルゼンチンの衣料店の防犯カメラの映像では、次々と店に押し入った人々があっという間に商品を略奪していきます。こうした略奪行為はアルゼンチン全土で頻発。店側が武装せざるを得ない事態となっています。
■突然押し入り“集団略奪”横行
アルゼンチンのとあるスーパーマーケット。略奪の被害に遭い、ほとんどの商品が奪われて割れたビンが散乱。鉄製の柵はこじ開けられ、店の外にも商品がごみのように散らばっています。
各地で頻発している略奪行為。犯行の一つを捉えた防犯カメラの映像を見ると、店に押し入ってきた略奪者たち。店内にある服を一斉に奪い出します。女性店員はなすすべなく、身をかがめるしかできません。品定めせず、ラックにある洋服を無作為に奪う者。また、ある者はカウンターの上にある「置物」を取っていきます。さらにはマネキンを引きずり出して服をむしり取る女性。彼らが去った後には黒いマネキンが横たわるのみ。
アルゼンチン アルベルト・フェルナンデス大統領:「皆さん、どうか治安を乱さないで下さい。社会の平和を壊さないで下さい」
■集団略奪に店が“ショットガン対抗”
さらに、店側も黙っていません。略奪者にショットガンで対抗。混沌と化すアルゼンチン。なぜ、このように事態に陥ったのでしょうか。街中でショットガンを放つ店主たち。略奪者たちを銃で追い払います。
町の店主:「店の人は銃を持っています。全員、武装しています」
犯行の一つを捉えた防犯カメラには店から飛び出してくる略奪者たち。車にぶつかりそうになるも、かまわず道路を横切っていきます。カートごと奪っていくものも…。さらに飼い犬でしょうか、ぴったりとその男に寄り添って逃げる犬。カートから落ちた商品を残さず拾い、一目散に逃げていきます。
業を煮やした店主たちはシャッターを二重に溶接。自衛に乗り出したのです。治安が悪化した原因は急激な物価高といわれています。アルゼンチンでは物の値段が1年で2倍以上になる状態が続いていて、生活に困窮する市民が増加しているといいます。
略奪被害が起きた町の住民:「いつも周りを見て気を付けなければならない。それが私たちが生きる現実です」
■急激物価高に“異常干ばつ”追い打ち
3年以上、干ばつが続いていて、現地メディアによりますと、大豆の生産量は例年の約半分に減ったといいます。
その一方で、地域によっては大雨が降り、洪水が発生。アルゼンチンの主要輸出品である農作物が激減し、インフレに拍車を掛けているといいます。今後も物価高は続くとみられ、市民生活への影響が懸念されます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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