プリゴジン氏を粛清か 未だ残るナゾに迫る(2023年8月26日)

プリゴジン氏を粛清か 未だ残るナゾに迫る(2023年8月26日)

プリゴジン氏を粛清か 未だ残るナゾに迫る(2023年8月26日)

死亡したとされるワグネルの創始者プリゴジン氏。ロシア側は暗殺疑惑を否定しましたが、いまだ多くの謎が残ります。サタデーステーションは墜落の瞬間を捉えた映像を、専門家と検証しました。

■“暗殺疑惑”を否定「完全なウソ」

事故発生から3日。ロシアの連邦捜査委員会によると、フライトレコーダーを回収し、身元確認のためのDNA鑑定が進められているといいます。

ジェット機は現地時間23日にモスクワの空港を出発し、ワグネルの拠点があるサンクトペテルブルクへ向っている途中に墜落しました。この事故で、乗っていたプリゴジン氏ら10人が死亡。

プーチン政権の関与を疑う声も出る中、ロシアの大統領報道官は、“暗殺疑惑”を否定しました

(ペスコフ大統領補佐官)
「西側諸国の憶測は特定の角度からの報道がされているがどれも完全なウソだ」

■ナゾ1「墜落の原因」

今回の墜落は“数々のナゾ”を残しています。ひとつは『原因』です。墜落の瞬間を捉えた3つの映像を、航空機事故に詳しい専門家と検証しました。

(東京大学 鈴木真二名誉教授)
「右の主翼はもう外れていて映っていない。左側の主翼だけ映っている状況で、羽が片方完全に外れているということ」

鈴木教授がまず注目したのは「煙の位置と色」です。

(東京大学 鈴木真二名誉教授)
「大量の煙がここに残っているので、瞬間的に何らかの爆発が起きたと思います。通常、エンジンから火災が起きて飛行不能になると、黒い煙が出ます。そういったものが残ってなくて、白い煙だけなので、何らかの機内の爆発や(機体の)分解によって、中の水蒸気が出たのではないか」

まとまった白煙がある位置で何らかの事象があり、一気に真下へ落下した可能性を指摘。この「落ち方」からも、機体が瞬間的に損傷したことがわかるといいます。

(東京大学 鈴木真二名誉教授)
「例えば本当にエンジンが止まってしまったような事故であれば飛行機はグライダーのように飛び続けることができますので、トラブルが発生した直後、機体そのものが瞬間的に機能を喪失して、落下物になってしまったということが起きたのではないか」

また、最後の30秒の記録から、墜落直前、パイロットが何らかの“異変”に気付いた可能性があるといいます。

「途中で高度を急に上げたり、また下げたりしている。問題はここですね、急な降下を始めている。(機内の)気圧が下がったかなにかで、急激に高度を下げないといけないようなことが、一連の流れの中で起きたと。最終的にここで電源が途切れてますので、何か起きた、爆発が起きた可能性があるということ」

ウォール・ストリート・ジャーナルは、複数のアメリカ政府当局者の話として、プリゴジン氏を暗殺するために「機内で爆弾が爆発した」可能性があると伝えています。

いつどこで爆発物が仕掛けられたのか。離陸前に“不可解な動き”があったという話もあります。

これはウクライナの通信社が報じた、プリゴジン氏のジェット機の内部とされる動画です。動画はロシアの独立系メディアが公開したもので、壁にはプーチン大統領の写真も飾られています。注目は、このロシアメディアが伝えた、ある証言です。ジェット機の搭乗者リストにも名前がある客室乗務員の遺族によると…

(同乗していた客室乗務員の遺族)
「彼女はモスクワにいて、今日か明日出発するところだと言っていました。ジェット機は整備中か緊急修理中だと話していました」

離陸直前に「緊急修理」が行われていたというのです。そこで何があったのかは、わかっていません。

ロシアメディアによると、胴体と尾翼部分は5km以上離れた場所に落下。残骸が広範囲に散らばっていることから、上空で機体が爆発し、分裂した可能性が高いとみられています。

「事故」なのか、「暗殺」なのか…

(アメリカ バイデン大統領)
「ロシアではプーチンの影がない出来事の方が珍しい」

■ナゾ2 出来すぎたシナリオ

そしてもうひとつ、“出来すぎたシナリオ”のナゾがあります。

およそ2か月前のワグネルの武装蜂起の後、プーチン大統領は、「反乱に参加した者は全員処罰される」などと警告。ロイター通信によりますと、墜落した機体以外にもう1機飛んでいたといいますが、プリゴジン氏のほか司令官や武器調達を担っていた人物などワグネルのトップ3全員は墜落した同じ機体に搭乗していました。

ロシアメディアによりますと、プリゴジン氏をよく知る関係者の話として事故後にこんな話を伝えています。

(プリゴジン氏をよく知る関係者)
「プリゴジンはプーチンが全てを許してくれると確信していて、何も恐れていなかった」

また早期の幕引きのためか、事故発生およそ2時間後には、ロシア航空局がプリゴジン氏らの搭乗者リストを公開。発生からおよそ24時間後にはプーチン大統領がプリゴジン氏について言及しました。

(プーチン大統領)
「彼は複雑な運命を背負った人物であり、重大な過ちを犯したが、必要な結果を出した」

一方、ウクライナ側で戦うロシア反体制派の武装集団は、プリゴジン氏らは“処刑”されたとしてワグネルの兵士らに対して寝返りを呼びかけています。

(ロシア義勇団の司令官)
「黒幕に誰がいるのか、君たちはよく知っている。君たちは重大な選択を迫られている。ロシア国防省の犬として働くか、復讐をするかだ」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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