タクシー不足で無料ナイトバス運行 解決策で注目“ライドシェア”日本の導入は (2023年8月25日)

タクシー不足で無料ナイトバス運行 解決策で注目“ライドシェア”日本の導入は (2023年8月25日)

タクシー不足で無料ナイトバス運行 解決策で注目“ライドシェア”日本の導入は (2023年8月25日)

大分県別府市は、25日から夜遅い時間帯に運賃無料の“ナイトバス”の運行を始めます。

25日から市内を走る訳。それを探るため、夜の街で、聞き込んでみました。
飲食店関係者:「前は違います。コロナの3年間で様変わりしました」
飲食店関係者:「お客さんから『タクシー呼んで』と言われても、なかなかタクシーが受けてくれない。
飲食店関係者:「(タクシー)会社に電話しても『すみません、もういませーん』。駅前通りだとタクシーが出待ちしているけど、それすらない状態。本当にいま困っている」
飲食店利用客:「今までだったら、タクシーを気にせずに飲み続けることもあったけど、帰ることを優先して、みんなとワイワイする時間が短くなった」

“夜の足”が消えてしまった背景には、やはり人手不足がありました。
みなとタクシー・下森正也社長:「(Q.稼働している車が少ない理由は)コロナで、特に別府の街は、観光の街なので、観光客の方が非常に少なくなって。乗務員も夜に出るのは、ローテーション的になくなってきていて、夜よりも午前中にお客さんが多い。そちらの方に経営資源を投入するという形で」

シフトの変更だけではありません。客足減で、コロナ以降、20人が、この営業所を去りました。

“これでは街の経済が潤わない”と、市がひねり出した策が、夜間の無料バス・ナイトバスの運行です。毎週末の2日間、午後10時半から約3時間にわたって、繁華街から住宅地などへ、3つのルートを巡回します。

別府市政策企画課・佐藤浩司参事:「市民がコロナ禍で市街地に足が遠のいた時期があったので、街の中に出てきていただいて、飲食をして、安心に帰っていただくのが最大の目的ですが、観光に来られたお客さまが、タクシーがなくて、ホテルに帰ることができないことことがないように。観光地としての責任もある」

運行は、今年度限り。あくまで、タクシー不足を補うつなぎの措置としています。市は、先月からドライバー自体を増やすべく、支援金付きで、県外からの移住も受け付けています。

タクシードライバーの担い手は、全国で見ても減る一方です。

東京都内でも、最近は特につかまらないようです。
ほぼ毎日利用する人:「半年ぐらい前、海外の方がいっぱい来るようになってから、全然、拾えなくなった」
たまに利用する人:「きょうは特にいない。取り合いになりそうなので、電車で行こうかと」

それを打開しようと、大手グループが導入したのが、青いタクシーです。行灯も、空車を示す表示板もありません。
日本交通グループハロートーキョー・野底篤統括部長:「こちらの車両は、アプリ専用車となっているので、“流し”の営業は一切ありません。アプリで、すべて注文が入ってくるので、お客さまを探すといった業務が必要ありません。非常に時間効率が良くなります」

走りながら客を探さないため、経験が浅くても、負担は大きくありません。時給で働くパートタイムのドライバーを増やし、担い手不足の解消を狙います。なかには、大学生の乗務員もいます。
渡邊竜乃介さん(23):「だいたい月に5回ぐらい入っています。こちらの勤務が9時半~夕方6時半。その前に学校行って、仕事の終わりに、また学校に行ってっていう感じ。(Q.お給料・バイト代はどれくらい)だいたい6万円ぐらい」

オーダーを受信した段階で、目的地へのルートがあらかじめ決まることも、乗務員になるハードルを下げているポイントのようです。
渡邊竜乃介さん(23):「ナビに指定された道を行くのが基本なので、道に詳しくなくても運転できるようになっています」

◆全国に広がるタクシードライバー不足。その解決策として注目されているのが“ライドシェア”です。

きっかけは菅前総理の発言です。菅前総理は、今月、ライドシェア解禁について「現実問題として(タクシーが)足りない。これだけ(運転手の)人手不足になってきたら、そうした方向も必要かなと思う」と述べました。

ライドシェアとは、一般のドライバーが自家用車を使って、有償で他人を送迎するサービスで、スマートフォンのアプリなどを介して利用ができるもの。ユーザーにとっては、アプリ上でドライバー情報の確認や決済が容易にできること、さらに、タクシーと比較し、価格が安く設定されているというメリットがあります。ドライバー側としては、隙間時間など好きなときに働けるメリットがあります。ただ、日本では、営業運転の免許を持たず、タクシーと同様の行為を行うことは法律で禁止されています。

海外では、ライドシェアは、すでに普及しています。
アメリカ発の『ウーバー』は、世界60カ国以上で利用可能で、シンガポール発の『グラブ』は、東南アジア8カ国で利用されています。また、アラブ首長国連邦発『カリーム』は、中東を中心に9カ国で利用が広がっています。

日本での導入について、国会でも議論はされてきてはいますが、現時点では、まだ先になりそうです。

菅前総理の発言を受けて、斉藤国土交通大臣は25日、「運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としており、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題がある」と指摘していて、国土交通省としては、現状のタクシーなど、交通サービスの規制緩和に取り組んでいくとしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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