なぜ?「グランピング」異業種“参入ラッシュ” 2022年開業施設“過去最多”200超(2022年2月23日)

なぜ?「グランピング」異業種“参入ラッシュ” 2022年開業施設“過去最多”200超(2022年2月23日)

なぜ?「グランピング」異業種“参入ラッシュ” 2022年開業施設“過去最多”200超(2022年2月23日)

 人との接触を避けてキャンプ気分を味わえる「グランピング」。今年はコロナ後を見据えて、異業種からの出店ラッシュです。

■週末だけでなく、平日もほぼ満室

 山梨県富士河口湖町にあるグランピング施設「HOSHIFULL DOME FUJI」。都心からわずか1時間半、緑豊かな山々に囲まれ、標高900メートルの澄んだ空気に、夜になると満天の星が楽しめるこのグランピング施設は、去年12月にオープンしたばかりです。

 しかし、運営している会社は、この施設を始めるまでグランピングの知識が全くありませんでした。

 「HOSHIFULL DOME FUJI」桑原由江オーナー:「今までは、うちの会社としては、ネイルサロンを少しやっていたり、その他では不動産とかをやっていたり」

 グランピング事業参入のきっかけは、長引くコロナ禍。自然を感じながらリフレッシュできる場所を作りたいと始めました。

 3密も避けられるため、週末に限らず、平日もほぼ満室と盛況です。

 静岡県から来た利用者:「コロナ禍ということもあるので、人がたくさんいるところよりは、こうやってアウトドアとかで、外のほうが良いのかなと思って。経験してみたいな、体験してみたいなという感じです。(ドームテントの)中にいて、寒さからは逃れつつ、外にいるような空間を味わえるのが、良いところしかない」

 神奈川県から来た利用者:「ドーム型っていう非日常的な、日本でも珍しいタイプ。普通に生きてたら泊まらないとこに泊まれたのは、すごい貴重な経験を味わえたなというふうに思います」

 施設内には、ネイルサロン事業を生かした、うれしいサービスもあります。

 桑原由江オーナー:「ここはパウダリールームになっていまして。お客さんが歯磨きをしたり、髪を乾かしたりとかができるスペースになる」

 アウトドア初心者の女性や子どもも気軽に楽しめるように、パウダリールームを設置。子どものおむつ替えも可能です。

 桑原由江オーナー:「ネイルサロンをやっていくなかで、お客さんと話していくんですけど、やはり『汚いところは嫌だ』ということで、皆言われるんですね。女性のお客さまにも清潔感を感じて頂けるような空間を作りたい。なるべく、色々なものを持ってこなくても済むように、ドライヤーから何もかも、細かいアイテムをそろえております」

 神奈川県から来た利用者:「お化粧室とかお風呂とかも、新しいきれいなところだったので、すごい自然だったけど、生活しやすかったです」「もう”至れり尽くせり”という。こんなことやってもらって」

 また、ネイルサロン以外に、料理教室の運営もしていた経験から、独自の仕入れルートを確立。こだわりのBBQも味わえます。

■開業施設“過去最多”200超

 今、こうした異業種から新たにグランピング事業に参入する企業が増えています。

 全国グランピング協会によりますと、2022年に開業予定のグランピング施設は、全国で過去最多の200施設以上に上ります。

 「HOSHIFULL DOME FUJI」から車で15分のところにも、別の会社が運営する施設が建設中です。

 今年の4月にオープン予定のグランピング施設を運営する会社は、千葉県鴨川市にもグランピング施設を来月オープンする予定です。

 株式会社にしがき 広報・森下めぐみさん:「グループ事業として、介護事業ですとか、福祉関係のこともしているんですけど、コロナの影響でクラスターなども発生していくなかで、売り上げが落ち込んでしまいまして」

 関西を中心に事業展開を行っていましたが、新型コロナの影響で、介護事業に大きなダメージが。そこで、数年前から行ってきたグランピング事業の拡大に踏み切ったのです。

 株式会社にしがき 広報・森下めぐみさん:「実際に運営していて収益化もできていたので、今の状況で続けていても収益化できる自信があったので、展開していくようになった」

 今までは関西を中心に6施設でしたが、千葉の施設や山梨県忍野村の施設などを含め、今年、全国で20施設を一気に開業する予定だといいます。

 全国にはその他にも、建築業や中華麺を製造する企業など、幅広い業界がグランピングに参入。飲食店を経営する企業が、地酒が飲めるバーを併設するなど、異業種ならではの特徴も楽しめます。

■異業種から“続々参入”の理由

 グランピングの開業を支援する企業には、この一年間で1000人以上、セミナー参加者が集まりました。

 株式会社Dot Homes インサイドセールス課・工藤翔也課長:「累計で20回くらい開催していると思うが、参加者さんとしては1000人超えているくらい。かなり多くの事業者さんに聞いて頂いている感じです」

 一体なぜ、コロナ禍でグランピング事業に参入する企業が増えているのでしょうか?

 専門家は、次のように話します。

 帝国データバンク情報統括部・上西伴浩部長:「今回の『事業再構築補助金』に関しては、コロナで本当に苦しんでいらっしゃるところを助けるための枠組みで、こういうのがある」

 新型コロナで売り上げが減った中小企業などが国の支援を受けて、グランピングの事業に続々と参入。グランピングはテントの建築費用が比較的安く済み、密も避けられるため、コロナ後の新たな旅行先として注目されています。

 帝国データバンク情報統括部・上西伴浩部長:「ホテル全体の建物をやるには、何億円、何十億円かかるものはできないけれども。グランピングであれば、そこの地の利を生かして、例えば1億、2億かかるとするのであれば、この補助金で数千万円でも、満額1億ですかね。補助金で出るのなら、間違いなく企業にとってメリットなので」

(「グッド!モーニング」2022年2月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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