ガザ地区に初「ネコカフェ」開店 空爆続き癒やし求め…イスラム教では「神聖な動物」(2023年8月22日)
イスラエル軍による空爆が続くパレスチナのガザ地区に初の「ネコカフェ」が開店し、話題になっている。実は、ネコカフェを開店した背景には、イスラム教とネコの深い関係があった。
■1時間あたり約400円 売り上げはエサ代などに
イスラエルとの激しい軍事衝突が続くなか、先月5日にも空爆を受けた、パレスチナ・ガザ地区。2007年からイスラエルによる封鎖が続き、人や物資の移動が制限され、“天井のない監獄”と呼ばれている。
さらに、失業率が45%を超えるなど、混沌を極めているガザ地区だが、今、住民たちは“ある場所”に詰め掛けている。
それは、ガザ地区で初となるネコカフェだ。カフェには、店主が飼っているネコや知人にもらったネコなど、合わせて10匹がいる。
ネコカフェ店主 ネマ・マアバさん:「私たちは常に精神的なプレッシャーや、社会的・経済的に劣悪な環境の中で過ごしています。そのストレスから解放してくれる存在がネコなんです」
種類はペルシャネコ系、もしくはその雑種で、「キャラメル」「ドット」「フェニックス」などの名前が付けられている。
利用料は、1時間あたり日本円でおよそ400円。売り上げは、エサ代や獣医師の診察代に充てられるという。
来店した客:「ここに来ると、精神的にゆったりすると感じます。ネコがいて、カフェの雰囲気も照明もすべてすてきです」
■イスラム教で「神聖な動物」 ムハンマドが…
ガザ地区でネコカフェが人気となっているのには、「カワイイ」だけではない理由があるようだ。
海外メディアによると、ガザ市民のほとんどが信仰するイスラム教では、ネコは穢(けが)れなき存在であり、「神聖な動物」とされていて、その理由はイスラム教の預言者ムハンマドが大のネコ好きだったことにあるという。
どれくらいネコ好きだったかというと、ある日、ムハンマドが祈りに出掛けようとしたところ、ネコがムハンマドの礼拝服の袖の上で寝ていたという。
すると、ムハンマドはネコを起こさないように、ハサミで袖を切り落として、礼拝に向かったという話が残っているほどだということだ。
また、ムハンマドの言行を記録したハディースには「ネコに対する愛情は信仰の一部である」とするものがあるそうだ。
そのため、イスラム教徒はネコを大切にすることが推奨されていて、神聖なモスクに入ることも許されているという。
■ペットにネコ人気だが…手放さざるを得ない人も
中東メディアによると、こうした背景に加え、空爆が続くガザ地区では精神的な癒やしを求めて、ネコを飼う人が増加しているという。
ガザ地区で営業するペットショップの店主は「経済状況は悪化しているにもかかわらず、ネコを求める客は途切れることがない」と話しているという。
しかし、ネコを飼い始めたものの、経済的理由などで手放さざるを得ない人も多いという。
今回、そうした人々にもネコと触れ合うことで癒やしを与えるべく、ガザ地区にネコカフェをオープンさせたといい、店主のマアバさんは「ガザ市民に笑顔を取り戻してほしかった」と話している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年8月22日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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