漁業関係者は「説明不足」訴え…処理水放出時期は明言せず 岸田総理が福島原発を視察(2023年8月21日)
福島第一原発の処理水を巡り、岸田文雄総理大臣は20日、海洋放出に向けた設備を初めて視察した。政府は22日にも放出時期を決定する見通しだが、漁業関係者は説明不足だと訴えている。
■“関係者の理解”は?岸田総理「継続的に寄り添い…」
福島第一原発の“処理水”に大量の海水を混ぜて排出する海洋放出。20日、岸田総理は準備状況を視察し、焦点の放出時期についてこう述べた。
岸田総理:「安全性の確保や、風評対策の取り組みの状況を政府全体で確認をし、判断をしていくこととしており、今の時点で具体的に時期についてまだ申し上げることは、控えなければならない」
処理水の放出を巡っては2015年、政府と東京電力が福島県漁連に確約した「関係者の理解なしには、処理水のいかなる処分も行わない」とした取り決めがある。
この“関係者の理解”についてはこう述べた。
岸田総理:「漁業者の皆様からは、風評や生業の継続に関するご懸念やご要望の声を頂いております。こうした懸念に、継続的に寄り添って対応していくことが必要である」
■ANN世論調査 処理水放出で政府説明「不十分だ」70%
今回、岸田総理が現地入りしたことで、漁業関係者の理解は深まったのだろうか。
漁師 小野春雄さん(71):「(総理が)『俺が生きている限りは絶対迷惑かけない』と、これくらいのたんかを切ってくれれば安心する。そうでしょ、本気度。これこそ本気度だ、総理大臣の」
こう話すのは、福島県新地町で56年間、漁師を続けている小野さんだ。
小野さん:「説明不足ですよ。『流す、流さない』は別問題として、我々が納得するような答えがない。誰一人持ってこないんですよ、まだ。安心だ、我々は安心が一番ほしいんですよ。今後のために」
ANNはこの週末、ご覧の方法で世論調査を行った。
福島第一原発の処理水を海に放出するにあたり、政府の説明が「不十分だ」と答えた人は70%で、「十分だ」と答えた人は19%にとどまっている。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年8月21日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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