西日本豪雨以来5年ぶり…鳥取県に大雨特別警報“3カ月分の雨”1000人以上孤立も(2023年8月15日)
台風7号の影響で、気象庁は15日午後4時40分、鳥取県に大雨特別警報を発表しました。5段階の警戒レベルのうち、最も高いレベル5にあたります。鳥取県に大雨特別警報が出されたのは、2018年の西日本豪雨以来で、5年ぶりです。
気象庁大気海洋部 杉本悟史予報課長:「命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保しなければならない状況」
鳥取・佐治町では、24時間雨量が500ミリを超えています。これは平年の8月に降る一月分の雨の3倍に迫る量。これまでに経験したことがないような大雨です。
鳥取県によりますと、佐治町では474世帯1014人が孤立状態にあるということです。さらに、八頭町でも私都川が氾濫したとして、449世帯に緊急安全確保が出されました。街中は、いたるところで通行止めになっています。
地元消防団:「通行止めになっている。危ないから。(Q.被害の状況は)我々も把握していない」
今年初めて、列島に上陸した台風7号は、広い範囲で被害をもたらしました。今回、雨による被害が目立ったのが、京都府の北部です。綾部市では濁流が住宅の敷地を流れ、建物が倒壊ました。中まで浸水してしまった家の住民が片付けに追われていました。
地元住民:「水位が上がるのがすごく早かったので、すぐに畳とかあげてしまって。30分しないうちに、このあたりまで水が上がってきたので、困りますこれは」
隣の舞鶴市では14日夜から15日未明にかけて、1時間に約110ミリという猛烈な雨が降ったとみられています。市内の商店街は、アーケードの下ですが、冠水した状態となりました。商店街の飲食店店長は14日、家に帰らず店で一晩過ごしたといいます。
飲食店の店長:「本当にいつ浸水するか分からなかったので(店を)放っておけないと思って」
ただ、台風の本州上陸は15日になってから。14日の時点では「油断していた」との声も聞かれました。
弁当業者:「下の段に置いていたものが、お米とか弁当の包材とか、事務系の書類とかがダメになった。『15日の方が大変』と思っていた。14日の夜は油断していました」
理容店の店主:「夜中にあれだけ雨が降るとは思ってなかった。台風が来る日中のことばかり考えて、油断もあって」
京都の北部で猛烈な雨が降ったのは、まだ台風が和歌山にも上陸していない夜のこと。これをもたらしたのは、台風の外側に伸びる雨雲の帯『アウターバンド』です。付近では大気の状態が非常に不安定になるアウターバンドは、台風本体からはやや離れた静岡にもかかっていました。
15日午前10時45分ごろ、静岡市で撮影された映像には、海の上の竜巻が映されていました。数分後の映像では、近くを流れる川の上に。竜巻はさらに北上。徐々に街へと近付いているようにも見えます。
同じころ、川の東側にある街が突風に襲われました。レンタルビデオ店では車が飛ばされ、他の車に直撃して横転、乗っていた50代の男性がけがをしました。
目撃者:「車に乗ろうと思った時に、空に板と木が飛んでいったので、これはちょっとおかしいと思って、すぐ店の中に入ったから良かったが、入った途端に車とガラス片がバーッと飛んできてぶつかった」
海から続く道沿いでは、あちこちに爪痕が残されていました。ドラッグストア近くの建物では屋根が倒壊。電線に引っかかるなどして、付近は一時2170戸が停電しました。
15日午前5時前、和歌山県に上陸した台風7号。台風本体も各地で被害をもたらしています。
奈良市内のゴルフ練習場。防球ネットを支えていた柱がぐにゃりと曲がり、地面に倒れています。けが人はなかったといいます。
目撃したごみ収集の作業員:「(午前6時半ごろ)事務所で作業をしていたんですけど、動いてるなと思ってぱっと見たらバーンって。最初ゆっくりで、そのまま勢いよくバーンと。雨より風の方がすごかったです」
人的被害も出ています。最大瞬間風速32メートルを観測した和歌山市。建物のトタンの外壁がはがれて60歳の男性に当たり、男性は意識不明の状態で病院に搬送されました。他にも風にあおられ転倒するなど、少なくとも42人がけがをしています。
強風の影響による停電が各地で相次ぎ、それに伴って断水も起きていました。三重・熊野市の家では、朝起きた時には断水していたといいます。
自宅が断水した女性:「(Q.水道は)まだ出ないもん。出ないねぇ」
停電はすでに復旧していましたが、こんなことは40年ほど住んでいて初めてだといいます。
自宅が断水した女性:「あんまり長かったら市役所に電話しないといけない。洗濯もできないしね」
そこへ市の職員がやってきました。浄水場の電気が復旧したため、水は出るはずだとのこと。家に戻ってみると…。
自宅が断水した女性:「チョロチョロと水が出てる。(Q.水触ってどんな思い)ありがたい。水なかったらあかんもんね、人間って」
15日朝、台風の中心からは少し離れた岡山と鳥取に発生した線状降水帯。岡山・鏡野町を流れる川は濁流となり橋に激しく打ち付けていました。地元の温泉は、川と同じような色に濁ってしまいました。源泉が川の近くにあるためと考えられます。
管理スタッフ:「元の温泉がきれいになってることを確認せん限りは、新しい湯は張れませんので。初めてのことですので、どの程度の時間がかかるか私にも分からないです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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