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ウクライナ東部へ派兵指示 プーチン氏の狙いは?国民の反応は?専門家・記者解説(2022年2月22日)
ロシアのプーチン大統領は日本時間22日朝、親ロシア派が支配するウクライナ東部の独立を一方的に承認し“平和維持”を名目にロシア軍の派遣を指示しました。
ロシアが専門の防衛省防衛研究所・兵頭慎治さんに聞きます。
(Q.米ロ首脳会談への道筋ができた矢先に、一方的な独立承認。プーチン大統領にはどんな戦略があると考えますか)
兵頭慎治さん:「今回の独立承認の動きは計画的で、事前に準備されたものであると思います。今月17日に、ロシアの議会が独立の容認を求める決議を行って、その後、東部で戦闘が激化すると、一部のロシア系住民をロシア領内に避難させるという展開がありました。
今回、ロシアに言わせれば“軍事侵攻”ではなく、自国民保護の観点からロシア軍を“平和維持部隊として派遣する”という形で、軍事的に抑える決断をしたと思います。
これは『ミンスク合意』東部2州の和平合意をロシア自身が破棄するという結果になったので、欧米とロシアの駆け引きの落としどころが、ミンスク合意ではないかという見方は違っていたということになると思います」
(Q.プーチン大統領は世界からの批判も織り込み済みですか)
兵頭慎治さん:「2014年のクリミア併合ですでに経験しているので、どの程度の政治批判が出てくるか、どの程度の経済制裁になるのか、ロシア側は織り込んでいただろうと思います。
ただ、ロシアは、今回の独立承認・平和維持部隊の派遣を、欧米が“軍事侵攻”と認定しないのではないかと算段している可能性もあります。
なぜかというと、アメリカは、米ロ首脳会談の開催条件に『軍事侵攻しない限りにおいて』としていて、欧米側が今回の動きを“軍事侵攻”と断定すれば、アメリカが自ら交渉の場を絶つことになります。プーチン大統領はしたたかに、欧米の足もとを見ていると思います」
モスクワ支局・前田洋平支局長に聞きます。
(Q.ロシア国民の受け止めはどうなっていますか)
前田洋平支局長:「ロシア国内での受け止めは意外です。これまで、大きな戦争になるのではないか、人の血が多く流れるのではないかといったことが考えられていたので、今回のプーチン大統領の決定によって、紛争が起こっていない、人が死んでいないということで、肯定的に受け止める人々が多いです。
経済面では、プーチン大統領の演説や安全保障会議の最中にロシア・ルーブルが急落したこともあり、多少の不安は広がりましたが、欧米が今回、どこまで一致して制裁ができるのか、“軍事侵攻”と捉えるかどうか微妙なラインをついてきたことで、恐らくそこまで厳しいものではないのではないかといった見方が出ています」
(Q.ドイツのショルツ首相は、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスの海底パイプライン『ノルド・ストリーム2』について、稼働手続きを承認しないと表明しました。こうしたニュースはロシア国内でも報じられていますか)
前田洋平支局長:「ノルド・ストリーム2の稼働停止という形だったと思いますが、速報で報じられています。ロシア外務省の報道局長は『こういった政治問題と経済を結びつけるのはナンセンスだ』といった、いつも通りのコメントをしています。
ノルド・ストリーム2はできてしまっていて、ドイツが承認するだけです。ロシア国内では、ドイツがどれほどノルド・ストリーム2を欲しているかということが散々書かれています。これがあることによって、ドイツはヨーロッパでのパイプラインのハブになれることもあり『ドイツが欲しいんだろ』『これを止めたら損をするのはドイツだ』といった考え方が浸透していて、そこまで焦っているという感じではありません」
改めて、防衛省防衛研究所・兵頭慎治さんに聞きます。
(Q.ノルド・ストリーム2の稼働手続きをしないことは、ロシアにとってそれほど影響はありませんか)
兵頭慎治さん:「今のところ、ドイツが表明しているのは、手続きの停止で、パイプラインをやめることまでは言及していないというところです」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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