【報ステ】専門家「“隠ぺい”と言われても反論できない」日大“林新体制”の問題点(2023年8月8日)

【報ステ】専門家「“隠ぺい”と言われても反論できない」日大“林新体制”の問題点(2023年8月8日)

【報ステ】専門家「“隠ぺい”と言われても反論できない」日大“林新体制”の問題点(2023年8月8日)

日本大学アメリカンフットボール部の学生が、大麻を所持していたなどとして逮捕された事件で、林真理子理事長らが記者会見を行いました。

林理事長:「関係者の方々に多大なご迷惑とご心配をお掛けしたこと、時間を要しましたことも併せて、心から深くおわび申し上げます」

今月2日、「違法な薬物は一切見つかっていません」と答えていた林理事長。寮で見つかったものに“大麻と覚醒剤の成分が含まれている”と、警察が大学に知らせたのは家宅捜索の日だったといいます。

林理事長:「先般、メディアの取材に対し『違法な薬物は見つかっていない』とした私の発言で、混乱を招いてしまいました。その発言をした時点(2日)では、学生寮で発見されたものが違法な薬物なのかどうか、警察で確認を進めていたところであり、本学としては確認の結果の連絡を受けていないという意図の発言でした。言葉足らずで唐突であったと本当に反省しています」

経緯を説明したのは酒井健夫学長です。最初に大麻の情報を得たのは去年のこと。10月29日に実施した保護者会の後、保護者から「学生寮内で大麻を使用していないか」調査をしてほしいと、部長らが直接お願いされたといいます。

酒井学長:「部員121人に対し、10月30日から11月6日に聞き取り調査を実施したが、その際には大麻を使用した事実は確認できませんでした。その後、11月下旬、アメフト部に所属する学生1人から『大麻と思われるものを7月ごろに吸った』と自己申告が指導陣に対してあった。警察関係者に相談いたしましたが、本人からの申告のみで物的証拠がないことや、4カ月という期間が経過しており、吸ったものが大麻であるかどうか、事実の立証は困難であるとの回答があった。アメフト部の判断で、指導陣より厳重注意をいたしました」

自己申告した学生について、警察関係者に相談すると「証拠がないので立証は困難」という結論。12月1日に監督から本部競技スポーツ部に報告した後、警視庁の協力を得て、10日には薬物乱用防止の講習会を開きました。

林理事長:「(Q.去年の薬物使用、どの時点で知った)それは最近知りました。『私の方に上がる事案ではない』と、澤田康広副学長が認識したと思っています。情報があったけれどもどうかということを、澤田副学長は講習会ということになりましたので、きちんと処理しておりますので。(Q.その対応は適切だった)はい。適切だったと思っております。(Q.大麻使用の情報が、去年の段階で耳に入ってこないのは問題ないと)澤田副学長が対応しておりますので、私は適切だったと思っております」

澤田副学長:「(Q.去年きちんと対応できていれば、今年の事案は起きなかったのでは)昨年は昨年で、部として適切な対応をしていたと思いますが、別の対応ならどうなっていたかはよく分かりませんが、場合によっては変わっていたこともあるかもしれないと思います」

林理事長が対応を任せていたという澤田副学長ですが…。

澤田副学長:「申し訳ございませんが、その時点で私も把握しておりませんでした。(Q.去年の事案をいつ把握したか)今回の事件があってから。というか、今回の調査をし始めてからですね」

澤田副学長に、去年の「大麻を吸った」という自己申告について報告が上がったのは、今年7月初めでした。

寮の中から植物片などを発見しながら、学内のヒアリング調査を優先したと指摘される“空白の12日間”については…。

澤田副学長:「植物片ではなく植物細片と申し上げたように、ぱっと見よく分からない。ただ、大麻のカスかもしれないと思いました。(Q.警察に報告しないのは不自然)我々は捜査機関ではありませんので、まず教育機関として教育的配慮が必要であります。学生に反省を求め、学生が自首するのであれば、それをさせるのが大学としての責務であると考えております」

乾燥大麻を所持した疑いなどで逮捕された学生は1人です。去年、自己申告した学生と同じ人物かどうかは伏せられました。

不祥事が続いた日大の卒業生として、ガバナンス改革を期待されて就任したのは、1年前でした。

林理事長:「『お飾りの理事長』という報道がなされているようですが、そのような評価をとても残念に感じております。数年前、大切な存在である母校に対する社会の信頼が、不祥事によって地に落ちることとなりました。その時に経験した悔しさ・歯がゆさ・憤りは、きのうのことのように思い出されます。人事を刷新し、志を同じくする理事や教職員とともに、この1年、ガバナンスの確立に全力を尽くして参りました。どこまで達成できたか分かりませんが、皆でつくり上げてきたガバナンスに対し、相変わらず欠如しているとか、旧体制と変わらないと評価されることは、誠につらく残念でなりません」

日大は、ヒアリングが終わっていない学生もいるため、独自の調査は継続するとしています。

林理事長:「もちろんこれは経営に関わることですけども、あくまでもスポーツ部はトップは『学長』でございます。学長の考えに従ってやっております。私、就任してからスポーツの方は、澤田副学長・酒井学長の方にお聞きするという立場で、はっきり申し上げて遠慮がございました。ぐいぐい行くべきだったと思っております」

■問われる“ガバナンス改革”

大学ジャーナリスト・石渡嶺司さんに聞きました。

(Q.“林新体制”何が問題ですか)

石渡さん:「理事長は経営面を担うポスト。物証がなかった去年の事案で、理事長に話が上がらなかったのは不自然ではない。ただ、大学の副学長に報告が上がらなかったのはおかしい。つまり、ガバナンス不足。競技スポーツ部内にとどまったことは、外部から『隠ぺいした』と言われても反論できない。今年の件は、7月6日の持ち物検査で『大麻と疑わしい物』が見つかり、立ち会った副学長も『大麻のカスかも』と認識したのであれば、その時点で警察、そして林理事長に報告をすべき。自身への報告がなかったことを『適切』と言い切るのは、林理事長のガバナンス不足。今後は、危機管理力を高め、素早い公表をするなど組織改革が課題」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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