【独自】“不正生コン”70の建物で使用か・・・古いもの混ぜ出荷 住宅に影響は(2022年6月7日)

【独自】“不正生コン”70の建物で使用か・・・古いもの混ぜ出荷 住宅に影響は(2022年6月7日)

【独自】“不正生コン”70の建物で使用か・・・古いもの混ぜ出荷 住宅に影響は(2022年6月7日)

 川崎市の生コンクリート製造業者が、古い生コンを混ぜて出荷し、東京や川崎など、およそ70の建物で使われた疑いのあることが分かりました。

■取引業者「とんでもないことが」

 小島建材店と取引した業者:「正直、怒りですよね。とんでもないことをしてくれたじゃないかと」

 完成間近の住宅は、工事が中断する事態になりました。生コンクリート製造業者の不正が発覚し、波紋が広がっています。

 川崎市の生コンクリート製造会社「小島建材店」。今年1月7日から2月3日まで、建築現場で余った生コンに、新しい生コンを混ぜて出荷する不正を繰り返していたとして、2月21日にJIS(日本産業規格)の認証を取り消されました。

 建築基準法では、建物の基礎や柱など主要部分に使うコンクリートは、一般的にJISの規格に適合したものを使うと定められていますが、今回の事態で、現場には混乱が広がっています。

 小島建材店と取引した業者:「正直、私たちもJIS規格の工場を手配しているわけです。国が認めた材料、工場なので、安心して発注するわけですね。だから、ここに私たちの落ち度というものがあったのかなと」

 都内にある生コン施工業者は、今年1月22日に小島建材店と取引を行いました。その際、書面でJIS認証を受けていることを明示されています。しかし、わずか1カ月後に、小島建材店のJIS認証が取り消しになりました。

 小島建材店と取引した業者:「何でですか?と、もちろん聞きましたけれども。その時は、『ちょっとすみません。お答えできません』と」

 すると先月、事態が急変します。

 小島建材店と取引した業者:「今年の5月にハウスメーカーのほうから、建物が完成したけれども、川崎市の建築指導課から違法建築(の可能性)だということで、建物の引き渡しができない。『どう責任とってくれるんですか』と」

 ハウスメーカーからの連絡で、小島建材店が不正を行っていたことが発覚したのです。

 小島建材店と取引した業者:「とりあえず、とんでもないことをしてくれたじゃないかという話をして。責任を追及されているぞ、うちはと。そのまま、そっちで責任をとってくれるんだろうなという電話はしました。正直、怒りですよね」

■入居済み住宅も・・・70件調査へ

 国土交通省は、小島建材店から混ぜた生コンをどこで使用したかなどを聞き取り、各自治体に伝えたということです。

 調査の対象になる建物があるのは、川崎市、横浜市、東京では世田谷区、府中市、町田市、狛江市、稲城市で、合わせておよそ70件になります。

 多くが1戸建て木造住宅の基礎部分に使われ、すでに完成して入居済みの住宅もあるということです。

 小島建材店と取引した業者:「一番迷惑というか、被害者は家を建てた人。引き渡しができずに、まだ仮住まい。せっかくきれいに仕上がった家が住めない」

 小島建材の生コンクリートを使っていた住宅は、一目見ただけでは、古い生コンクリートを使っていたかは判断できません。

 現場には、レンガなどの資材が積まれたまま、工事が中断されていました。古い生コンを混ぜて使用することで、どんな影響があるのでしょうか。

 小島建材店と取引した業者:「ちょっと難しいところなんですよね。JISの基準外というだけで。長期的な目で見た時に、何かが起きるのか、もしくは全然大丈夫か。大地震が来て、もし基礎が壊れて、家が壊れてしまった。もしかしたら、小島建材のせい、生コンのせいじゃないかとなりますよね」

■「キャンセルで混ぜて出荷」

 生コンの不正について、小島建材店を取材しました。

 小島建材店の従業員:「お答えは、まだできないので」「(Q.認証取り消しから、どういう経緯だったか?)そこも、ちょっとまだお答えができないので」「(Q.今はコンクリートは作っていない?)そうですね」「(Q.いつから?)先週までは・・・」

 社長にも取材を試みましたが、応答はありませんでした。

 川崎市によりますと、小島建材店は「1月初旬に現場でキャンセルがあったので、別の現場でキャンセル分も含めて、新たなコンクリートと混ぜ込んで出荷してしまった」と話したということです。

(「グッド!モーニング」2022年6月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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