世界大会に“鈍足素人”出場 陸連会長が停職処分に…背景にソマリア特有の事情(2023年8月8日)

世界大会に“鈍足素人”出場 陸連会長が停職処分に…背景にソマリア特有の事情(2023年8月8日)

世界大会に“鈍足素人”出場 陸連会長が停職処分に…背景にソマリア特有の事情(2023年8月8日)

 中国で行われている学生スポーツの世界大会に出場したソマリア代表の選手が、圧倒的な“遅さ”でゴールした。その後、この選手が“素人”だったことが分かり、陸連の会長が停職処分になるなど物議を醸している。

■SNSに「なぜ彼女が?」「素人?」の投稿も

 中国で開催されている学生スポーツの世界大会で1日、女子100メートル予選。ブラジルの選手が、11秒58でトップでゴールした。

 しかし、注目なのはその選手ではなく、スタート直後から、他の選手に全く付いていけないこの選手だ。トップからおよそ10秒遅れてようやくゴール。タイムは21秒81と、大会で最も遅い記録と報じられた。

 ソマリア ナスロ・アブカル・アリ選手(20):「私は選考会を通じて選ばれましたが、準備期間は1カ月しかありませんでした。1カ月では不十分です。最下位になったのは残念です」

 ソマリア代表のナスロ・アブカル・アリ選手。走る姿がSNS上で話題となり、「なぜ彼女が選ばれたのか?」「素人なのか?」といった投稿もあった。

 ソマリアスポーツ省は、次のコメントを発表した。

 ソマリアスポーツ省のコメント(2日):「調査の結果、ナスロ・アブカル・アリ氏は、スポーツ選手でもランナーでもないことが分かった」

 本当に、素人だったのだ。

 アリ選手は、実はソマリア陸上競技連盟の会長と親戚関係で、スポーツ省は、選考過程において何らかの便宜があったと指摘。職権を乱用したとして、会長を停職処分にした。

 ナスロ・アブカル・アリ選手:「私は勝てなかったので、今、笑い者になっています。でも、もし勝っていたら、扱いは違っていたと思います」

■背景に…ソマリア特有“イスラム教”問題

 今回、アリ選手が出場した背景には、ソマリアが抱える問題もあるようだ。

 東アフリカに位置するソマリアは、イスラム教を国教としていて国民のほとんどがイスラム教スンニ派。そのため、イスラム教の伝統の尊重を強いる圧力が存在し、アラブニュースによると、肌の露出が多くなりがちなスポーツウェアは、女性にとってふさわしくないとみられるなどして、女性のスポーツ参加は遅れているといいます。

 実際に、アリ選手も長袖にスパッツを着用して、肌が露出しないようなウェアで出場していた。

 また、ソマリアで活動するイスラム過激派組織「アル・シャバーブ」は、スポーツに取り組む女性を標的とした攻撃なども行っているという。

 BBCによると、実際に2012年のロンドン・オリンピックで女性400メートル走に出場した選手は、大会期間中ずっと殺害予告を受けていたという。

 こうしたなかで、国際大会に出場したアリ選手は、レース後に行われたソマリア人の取材に対して「ソマリアでは、多くの女性がスポーツ参加を恐れている。女子100メートル走の出場選手がいなかったので、私が出場を申し出た。ソマリアの人々を勇気付けたかった」と出場の意図を話している。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年8月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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