「ナイアガラ花火」で枯れ草火災か 主催者は防火対策…なぜ起きた?(2023年8月7日)

「ナイアガラ花火」で枯れ草火災か 主催者は防火対策…なぜ起きた?(2023年8月7日)

「ナイアガラ花火」で枯れ草火災か 主催者は防火対策…なぜ起きた?(2023年8月7日)

 東京・板橋区の河川敷でこの週末、4年ぶりに花火大会が開催されました。大会の目玉「ナイアガラの滝」という花火の火の粉が枯草に燃え移ったとみられる火事で、大会は中止となりました。

■主催者は防火対策…なぜ起きた?

 浴衣に身を包み、肩を寄せ合って夜空を見上げる。待ちわびた、そんな夏の夜が4年ぶりに戻ってきました。

 荒川河川敷で行われた「いたばし花火大会」です。例年の人出は50万人以上。今年も日のあるうちから大勢の人が会場に集まりました。家のベランダや屋上から見物できる人もいますが。間近で見られる特等席は1人あたり4500円から8000円の有料席です。それでも河川敷は埋め尽くされました。

 対岸では同時に埼玉県戸田市などが主催する「戸田橋花火大会」も開催。4年ぶりの実施となるなか、用意された花火は大会史上初となるおよそ1万3000発です。そのおよそ1万3000発の花火が午後7時から午後8時半までの90分間、夜空を美しく彩るはずでした。ところが。

 会場アナウンス:「今年度の『いたばし花火大会』は中止が決定しました。どうぞご了承いただきお気を付けてお帰り下さい」

 午後8時すぎ、花火大会は中止になってしまいました。花火大会の会場内で火災が発生したのです。消火器による必死の消火が試みられましたが、炎はどんどん燃え広がり、観客の目に映ったのは花火の光ではなく、赤く照らされた火災による煙です。

 この直前、行われていたのは大会の目玉。関東最長規模だという総延長700メートルの「大ナイアガラの滝」です。主催の板橋区は防火対策を取っていましたが。

 元東京消防庁 坂口隆夫さん:「3時間前に散水した水が効果があるのかというと、私はちょっと疑問です」

 元東京消防庁の専門家は疑問を投げ掛けます。

■専門家“3時間前の散水”に疑問

 「いたばし花火大会」で発生した火災。警視庁は直前に行われた「大ナイアガラの滝」の花火が枯草に燃え移ったとみています。大会を主催した板橋区の担当者は当日、花火が始まる3時間前の午後4時までに3回水をまいたとしていますが。

 元東京消防庁 坂口隆夫さん:「この高温下の気象状況のなかで(大会開始)3時間前に散水をしても蒸発してしまうのでは。あまり効果がない気がします。危険と思われる区域はやはり(枯れ草を)刈り取らないと、同じような火災が発生するのかなと思いますね」

 炎は1カ所ではなく複数の場所で上がりました。火災によるけが人は出ていませんが、警視庁によると、およそ1600平方メートルが燃えました。

 観客:「きょう風が強くて、ナイアガラが普通真っ直ぐ下に下りるのが、結構波打って飛ばされる感じ」「すぐ鎮火するかなと思ったけど強風が吹いていたから、それに合わせてどんどん、わーって広がっていった感じ」

■観客「強風が」中止の基準は?

 東京都の基準では、地上で風速7メートル以上の強風が10分以上続いた場合、花火大会は中止することとしています。ただ、板橋区の担当者によると、当日は中止を検討するほどの強風は吹いていなかったといいます。

 火災の原因とみられる「大ナイアガラの滝」が行われていたのはグループ席では最高4万円する有料席の真ん前。大会の目玉ですが、結果、予定終了時刻より早く大会は中止になりました。板橋区の担当者は。

 板橋区の担当者:「具体的な内容や件数は言えませんが、様々な意見はいただいています。(返金等の)具体的な対応はまだ考えておりません」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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