「台風6号」なぜ急カーブ?進路決める“高気圧”(2023年8月4日)
台風6号は、沖縄に加えて西日本などに影響範囲が広がる見込みです。週末には沖縄・奄美地方を通過した後、来週には西日本を中心に上陸する恐れが高まっています。気象予報士の今村涼子さんに解説してもらいます。
■「台風6号」動き遅く 影響長期化の懸念
まずは、沖縄から奄美方面の見通しを見ていきたいと思います。4日午後5時時点では、久米島がまた暴風域に入ってきたという状況です。この後は、沖縄本島などでも、再び大荒れの状況となりそうです。
雨雲の動きを見ていきますと、台風の活発な雨雲は4日午後9時以降、再び沖縄本島に向かってじわじわ近づく見込みです。外側の雨雲がもうかかり始めますので、5日の日中にまた断続的に激しい雨になる時間帯が出てきそうです。
そして、5日夕方から6日にかけては、このピンクと赤・黄色の部分もだんだん迫ってくるような状況ですので、6日の朝、さらに激しく降るところが出てきます。
なにしろ今回動きが遅いということで、この後6日の日中もピンクや赤・黄色の部分がずっと同じようなところにかかり続けそうです。
沖縄本島から、そして今度は奄美方面でもかなりの雨量になりそうです。前回、沖縄本島で300ミリから400ミリほど降りましたけれども、今回もそれぐらいもしくはそれ以上の雨が予想されますので、土砂崩れなど本当に厳重な警戒が必要です。
■あす再接近 再び大規模停電の恐れも
当然、風も再び強まりそうです。特に5日夜以降、この台風中心部の猛烈な風が、沖縄からそして奄美方面に吹き込む形になりそうです。
今回、一番強く吹きそうなのは、沖縄本島の北部・恩納村から北の地域と奄美地方にかけてで、風速は40メートルから60メートルが予想されます。沖縄本島中南部も35メートルから45メートルの風が予想されます。
海上が暖かいので、台風はエネルギー補給をずっと受けられるような状況です。そのため、勢力がなかなか落ちない状況で、また記録的な暴風となる可能性が高まっています。再び大停電や車の横転などが相次ぐ恐れがあります。今度は沖縄本島北部から奄美でも大きな被害が出る恐れがあります。
■なぜこんな進路に?
この後の進路は、5日から6日にかけて沖縄本島から奄美地方、特に今回は奄美地方を直撃する形になりそうです。
台風の動きを大きく左右する要因の一つは、この季節になるとよく聞く「太平洋高気圧」です。
5日以降は太平洋高気圧はだいぶ弱まりますので、台風は弱い西風に沿ってちょっと東に進むようになるでしょう。
来週になると、太平洋高気圧がぐっと強まりそうで、西のほうにまで張り出してくるんです。そうなると、今後の進路はちょうど高気圧のへりに沿うように進んでくることになるでしょう。
■今後は西日本上陸も…
もし太平洋高気圧が東へ後退したままだと、台風がじわじわ東に進んで、東海とか関東辺りを北上するということも考えられますが、今のところの予想だと、ふたたび強まりそうな傾向が強まってきましたので、8日9日と西日本に近づき、九州・四国中心にどこかに上陸するのではないかという見立てになってきました。
上空の太平洋高気圧の様子です。ちょっと南に下がったと思えば、さらに東から強まったりとか、呼吸するように周期的に動いています。その理由は、フィリピン付近の対流活動の強弱によるもの、偏西風の動向などです。これらの作用によって、強まったり弱まったりします。太平洋高気圧がどこにあるかということに、台風が大きく左右されます。それによって、日本のどこに上陸するかが決まってくると思います。
みなさん、今のうちに対策をしてください。
(「スーパーJチャンネル」2023年8月4日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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