架空の「保険契約」をねつ造?ビッグモーター現役社員が明かす“カラクリ” 背景には「厳しいノルマ」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

架空の「保険契約」をねつ造?ビッグモーター現役社員が明かす“カラクリ” 背景には「厳しいノルマ」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

架空の「保険契約」をねつ造?ビッグモーター現役社員が明かす“カラクリ” 背景には「厳しいノルマ」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

保険金の“不正請求問題”で揺れるビッグモーター。「保険代理店」としての業務も行っていた同社に、「不自然な保険契約」が存在することが新たにわかりました。解説です。

■会社の車に個人名義で保険かける

南波雅俊キャスター:
新たな不正疑惑について、関係者の証言も交えて詳しく見ていきます。
まずは、ビッグモーターが販売した自動車保険について、契約後2か月から3か月で解約されるという、不自然な契約が数多く存在していたという問題です。

ビッグモーターの本来業務には、車の販売や買い取り以外にも、損害保険の代理店業務も行っています。中古車の購入者に、自動車保険をすすめて、保険の契約を締結するというのが本来業務になってきます。

ただ、現役社員の話ですが、福井県内での事例でいうと、ビッグモーターの代車や展示車に、営業の担当者が個人名義で保険に加入しているという例があったそうなんです。
一般的には、自動車保険というのは、契約から3か月間支払いがない場合には、契約が失効されるというものなのですが、例えば、1月に加入したら、4月に失効します。そして、5月に再加入して、8月にもう一度執行、といったことを繰り返して、中には、1年間で、3回ぐらい同じ車でかけ直す人もいたということです。

現役社員の話では、「私が知っているだけで福井県内で数十件あった」ということです。

■虚偽の契約は「保険業法違反」に…

萩谷麻衣子弁護士:
違法行為のオンパレードの様相を呈してきた。
考えられるものとしてはまず、▼保険代理店が、架空や虚偽の保険契約を締結するということは、「保険業法違反」になります。
また、▼保険会社に、架空の保険契約を締結したことで、手数料をもらっていたということであれば、「詐欺罪」の可能性もあります。もちろん、数か月で解約したということになると、返ってくるビッグモーターの手数料は数百円に満たないぐらいかもしれないのですが、それがどれぐらい契約があったのか、どれだけ広がりを見せるのかということが、これから注目されると思います。
また、▼会社の営業成績を上げるために、従業員が自己負担で売り上げを上げるということは、労働基準法が禁止する“自爆営業”にあたります。これが、上からの指示であったということであれば、「労働基準法違反」になります。
また、▼上から脅迫的な手段で、自爆営業をするよう求められて、やむなくやったということになれば、「強要罪」ということも考えられます。
ただ、従業員が自らやった場合となると、ビッグモーターという会社に対する詐欺的な面も出てきますので、誰がどういう形でやっていたのか。不当な降格処分だとか、過剰なノルマだとかとの関係性を、慎重に見ていく必要があると思います。

■“ノルマ未達成だと降格”というプレッシャー

南波キャスター:
背景にあるのが、厳しいノルマということです。
福井の例ですが、1か月の納車台数に対して、20%以上の保険契約数が、ノルマとしてあったという証言があります。例えば、10台納車したら、2台以上の契約が必要になるというものなんです。
個人でノルマを達成できなかった場合、役職の降格。役職手当が減ることになります。
店長代理という役職ですと、月々20万円、主任という役職でも、10万円。年間100~200万円の減額になってきます。
店舗で2割を達成できないと、店長交代、急遽、転勤を言い渡されるということもあったということです。
さらに現場では、契約を取れない場合には、かなりきつく言われるとか、ノルマに届かなかった際には、パソコンのマウスを投げつけられるといった事例もあったということです。
こういった状況から、31日、金融庁は保険業法に基づいて「報告徴求命令」、つまり、不正取引があったのではないかと疑われる中で、事実関係の報告などを求めているわけです。
ビッグモーターもそうですが、損保ジャパンなど大手・中堅の損害保険会社7社に対しても求めているという状況です。

ホラン千秋キャスター:
1つの車に対して、1年で何回もかけ直す人もいたという話があるわけです。保険会社としては、1人の名前で、名義で何度もかけられているのに、保険金が払われてないことに対して、何かリストに載ることはないのですか?

萩谷麻衣子弁護士:
きちんと精査すればわかる可能性はありましたよね。その件に関しては、まさに報告徴求命令による報告がどうなるかというところに注目。
この報告によって、違法な状態が認められたとすれば、ビッグモーターにしても、保険会社にしても、業務改善命令や、業務停止命令。ビッグモーターに対しては、保険代理店の登録取り消しなどの行政処分が考えられます。
ただ私は、問題はそこではなくて、この会社の所有者が、前社長・前副社長であることだと思います。いま、株を第三者に譲渡して、その第三者によって、しっかり立て直す、その道筋が大事じゃないかと思います。

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