2億回分増産の「抗原検査キット」9割出荷されず…なぜ?販売自粛要請の未承認キットは人気|TBS NEWS DIG

2億回分増産の「抗原検査キット」9割出荷されず…なぜ?販売自粛要請の未承認キットは人気|TBS NEWS DIG

2億回分増産の「抗原検査キット」9割出荷されず…なぜ?販売自粛要請の未承認キットは人気|TBS NEWS DIG

新型コロナの検査のため、政府が活用を呼びかけている「抗原検査キット」。

しかし、需要が伸び悩み、今年増産した2億回分のうち9割が出荷されていないことがわかりました。いったいなぜなのでしょうか?

ゴールデンウィークの成田空港。

帰省客
「(Q.手に持っているのは)これから検査するためのキットです」

PCR検査より精度は劣るものの、簡単に結果が出る「抗原検査キット」。政府は慢性的な検査不足を補うため、積極的な活用を呼びかけていますが…

記者
「見てください。たくさんありますね」

政府は今年に入って新たに、国内のメーカーに2億回分以上の抗原検査キットの増産を要請。

ところが、4月までに出荷されたのは、1割ほどのおよそ2000万回分で、在庫が増え続けているのです。手軽に利用できるはずのキットはなぜ、1億8000万回分も余っているのでしょうか。

国が承認している検査キットはこちら。薬局で薬剤師から、購入前に使用方法の説明を受ける必要があります。

遠山薬局 遠山伊吹薬剤師
「まず鼻腔内に綿棒を入れていただいて、ご自身で拭っていただきます」

感染が判明した場合に備え、氏名などを記録して医療機関の受診の同意などを求めている店もあり、こうした手続きの煩わしさもあってか…

遠山薬局 遠山伊吹薬剤師
「だいたい週に3個ぐらい売れます。そんなにすごく売れるものではない」

街の人に聞いてみると…

「(薬局で買うのは)ちょっと面倒くさい」
「ネットですぐに買えたりしたら、やっぱり楽で買う人も多いんじゃないか」
「(未承認キットを)Amazonで買いました。簡単ですよね、やっぱり家で自分でできて、すぐ結果がわかるので」

記者
「研究用と書かれた未承認の検査キットが店頭で販売されています」

国が承認している抗原検査キットよりも簡単に購入できるのが、「研究用」などとして売られている未承認キット。

ネットの他、ドラッグストアなどの店頭でも薬剤師からの説明もなく買うことが出来、承認されたキットより安いのが現状です。

年間600個ほどの未承認キットを売ったという薬局の関係者は…

薬局関係者
「『急いでいるから説明無しで買いたい』という人や、値段が安いから、未承認のものを選ぶ若い人が多い」

こうした状況を受け、厚労省は、未承認のキットは精度が悪いものが多いとして、薬局などに販売の自粛を要請。政府は、国が承認した検査キットについても、ネットやコンビニなどでの販売ができるよう規制緩和の検討を始めました。

ただ、正確な検査のためには、購入時の薬剤師の指導が必要との意見も厚労省内に根強く、議論は進んでいません。

在庫が積み上がった1億8千万回分にも及ぶ検査キットの多くは使用期限が1年から2年ほど。このまま余れば国が数千億円かけて買い取りを迫られる可能性もあり、効果的な活用方法が求められています。

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