なぜ?“暑さの町”鳩山町 1週間38℃超え「枯れる」 容体急変「熱中症」の注意点は(2023年7月31日)
31日も各地で体温超えの暑さが続くなか、連日最高気温の上位に名を連ねているのが埼玉県鳩山町。現地を緊急取材しました。
■キンキン冷えた氷柱 出荷ピーク
キンキンに“冷えた”映像は兵庫からです。ずらりと並んだ透き通る氷の柱。兵庫県太子町の製氷工場です。天然水を丸一日かけて凍らせた氷。コンビニエンスストアのアイスコーヒーなどに使われます。一日およそ100トンの氷を製造。出荷はピークを迎え、去年より増えているそうです。
■4年ぶり“水盤”路面が熱い…
それもうなずける連日の暑さ。東京都心も過去2番目に長い記録となりました。8日連続の猛暑日となった東京都心。
豪快に水しぶきを上げる子ども…。東京駅前に4年ぶりに復活した「水盤」。濡れないように歩く子ども。何分この暑さでぬるくはなっていますが、効果はあります。これほどの暑さを予想していなかった外国人観光客の避暑スポットです。
アメリカからの観光客:「汗もかかなくていい感じです」「なんかフロリダな感じがします」
イギリスからの観光客:「マレーシアも周りましたが日本の方が暑いです。泳ぎたいぐらいですね」
夏場の路面温度の上昇を抑えることと、視覚的にも清涼感を与える狙いがあります。ただ日差しを遮ることができません。
■“暑さの町”鳩山町 生活に異変
さらに暑い町もあります。埼玉県鳩山町。実に1週間連続で38℃を超えています。30日も全国一の暑さとなるなど、熊谷と並ぶ“暑さの町”です。
鳩山町民:「今年は異常」「昔と比べたら暑い。体感で5℃から6℃高い」
公園の池は故障のため噴水はありませんが、こんな涼スポットもあります。里山の風景と東京のベッドタウンとしても知られる町は2021年「街の幸福度自治体ランキング」で全国1位を獲得しました。ただ、この暑さは人々の暮らしを変えつつあります。
■なぜ?1週間38℃超え「枯れる」
鳩山町に住んで40年 利根川純子さん(80):「花が好きで庭一面、花。下から全部枯れちゃう。40年で初めてこんな庭を見たの」
40年鳩山町で暮らす利根川さんの自宅を訪ねると、花や家庭菜園もこの暑さで枯れてしまいました。
暑さと暮らす知恵もあります。ずらりと置かれたトイレットペーパーの買いだめもその一つ。
鳩山町に住んで40年 利根川純子さん:「(Q.外にできるだけ出ない)そうです。(水は)1時間に1回飲む。(頻度を)決めて糖尿・血圧、自分で管理している」
24時間エアコンは付け、汗をかくためタオルを巻いて寝る工夫もしています。暑さを除けば緑もあふれ、住みやすい町だと話します。
鳩山町民:「(環境が)私は好き。東京から帰ってくると、ほっとする」
なぜ鳩山町がここまで暑くなるのでしょうか。山からのフェーン現象とともにこんな理由もあります。
今村涼子気象予報士:「1、フェーン現象。2、気温を下げる雷雨が少なかった」
■“熱中症”か?エアコンなく2人死亡
終わりの見えない「危険な暑さ」。命を落とす事態も相次いでいます。30日午後3時すぎ、東京・東村山市の住宅で70代とみられる男女2人の死亡が確認されました。部屋のエアコンは稼働しておらず、熱中症の可能性もあるとして捜査が進められています。
都内の高齢者施設。看護師は警戒を強めていました。
看護師:「部屋で熱中症になりやすいので、水分をしっかり取っていきましょう」
一人ひとり体調に異変はないか、安全な室温に保たれているかなど入念に確認しています。
訪問看護ステーションブロッサム 西村直之社長:「高齢者は室温を感じない。体感温度を感じない人が複数いる。声掛けが非常に大事」
■暑さ×コロナ 高齢者施設は警戒
さらに心配なのがコロナです。訪問する施設でも感染が急増していて、暑さのなか防護服を着込んで対応にあたっています。
訪問看護ステーションブロッサム 西村直之社長:「熱中症は死につながることもある。客にはそれを強く訴えている」
■熱中症か 中1女子生徒 部活後死亡
若い命も失われています。28日、山形県米沢市で熱中症とみられる症状で中学1年の女子生徒が亡くなりました。経緯はこうです。女子生徒は午前8時半に部活動を開始。およそ20分おきに水分を補給していたといいます。ただ、この日は朝から30℃に迫る暑さ。部活は1時間、前倒しで終了しました。女子生徒は午前10時半ごろ、自転車で下校しますが…およそ30分後、歩道で倒れている状態で見つかったのです。そして、午後9時50分ごろ、搬送先の病院で亡くなりました。
■学校側「暑さ指数」の確認怠る
学校側は、熱中症の危険度を示す「暑さ指数」の確認を練習前に怠っていたといいます。
米沢市教育委員会:「常に健康状態については顧問が表情等を見ながら確認しております。問題はなかった、変化はなかったと聞いている」
では、なぜ容体は急変したのでしょうか。
埼玉慈恵病院 藤永剛副院長:「起こり始めって気付かないことが意外と多い。だんだん、それこそ具合が悪いのが進んできて、頭が痛いとか気持ち悪いとか異常な発汗があるとか、その時に気付きます。災害級の暑さだから、ある程度の熱中症対策をしていても安全ということはない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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