ネット予備校「ただよび」突然破産 超大物講師がYouTubeで講義も…「3年間報酬ゼロ」【もっと知りたい!】(2023年7月27日)

ネット予備校「ただよび」突然破産 超大物講師がYouTubeで講義も…「3年間報酬ゼロ」【もっと知りたい!】(2023年7月27日)

ネット予備校「ただよび」突然破産 超大物講師がYouTubeで講義も…「3年間報酬ゼロ」【もっと知りたい!】(2023年7月27日)

 超大物講師がユーチューブで講義を配信するという予備校を巡ってトラブルが起きています。夏休みの追い込みシーズンを前に今月、突如事業停止を発表し、受験生の間で混乱が広がっています。

■有名講師も登場 100万回再生超え動画も

 「未来を、よぶ」「スマホ1つで夢をつかめ」。公式ホームページでのうたい文句の上に突然、表示されたのは「サービス終了」の文字でした。

 事実上の破産状態に陥ったことを明らかにしたオンライン型の予備校「ただよび」。受験生ら利用者を置き去りにした事業停止の発表に、「ただよび」元講師からは疑問の声が上がっています。

 宗慶二さんのブログから:「『ただよび』がビジネスモデルとして実験的な企画であったのは確かです。しかしこの顛末(てんまつ)は明らかに『人災』です」

 「ただよび」は2020年4月にサービスを開始しました。ユーチューブ上に公開されている動画で教鞭(きょうべん)に立つ講師の中には、大手進学塾に務めていた有名講師も名を連ねています。

 理系と文系で分かれた動画のチャンネルには、合わせて30万人以上の登録者がいます。中には、100万回再生を超える動画もあります。

■突然サービス停止 利用者にも広がる動揺

 学習塾「宮崎教室」 宮崎智樹塾長:「2年くらい前から利用していまして、特に高校3年生ですね。理科と社会を中心に。先取りというか、履修範囲をなくすという意味で利用してきた」

 配信される動画の一部は無料ですが、取材をした塾では有料サービスに加入し、専用テキストを購入していました。

 塾側は、夏休み前の大事な時期に事業を停止したことに憤りを隠せません。

 宮崎さん:「子どもたちが関わっているものじゃないですか」「時期的にも何とか頑張って、来春までやっていくか。この春に(サービスを)止めといてくれればよかったのに」

 「ただよび」の利用者にも動揺が広がっています。

 利用者(浪人生):「突然の停止で不安や少しの焦りを覚え、1歩間違えれば学業が崩れかねない状況になりました」

 利用者(高校2年生):「『ただよび』にはかなり依存していたので、私の勉強を支えてくれていた大部分がなくなった感じで、若干不安です」

■「3年間報酬ゼロ」元講師 資金繰りに苦しんでいた

 「ただよび」の事業停止を「明らかに人災だ」と疑問視する元講師の1人に話を聞くことができました。

 「ただよび」元講師 宗慶二さん:「(Q.破産するのはいつごろ知った?)破産というものをにおわすことはなくて、(資金繰りに)割と苦しいながらも前向きな話が聞けていたはずなんですよ。ところが、その直後から連絡が急になくなりまして。前向きな姿勢だったはずなんですが、突如、連絡がなくなって、破産のお知らせがやってきた」

 元講師によると、「ただよび」は資金繰りに苦しんでいたといいます。サービス開始3年間で支払われた講義の報酬がゼロだといいます。

 宗さん:「『報酬どうなっているんですか?』と問い掛けると、『経費で(収益が)全部ゼロになっている』と。『編集費用とか人件費だとか、スタジオのテナント代も含めて、これだけ掛かっているので、到底収益には追い付かない』と。なけなしの広告収入が入ってきても『(費用で)ほぼゼロに即時になってしまう状況』という概要の説明。ただ、(契約書に)サインした自己責任はありますので、そこはやむを得ないんですが」

 報酬はその動画の広告収入から経費を引いた40%が支払われることになっていたというのですが、撮影の費用で収益が相殺、または赤字だったため、報酬は出せないという説明を受けたといいます。

 「ただよび」元講師 森田鉄也さん:「(運営会社が)宣伝活動とかは自分たちでできるって言い出して」「どうするんですか?(宣伝も配信も)何も知らない人たち。僕しか知らないで、どうやって(配信)やっていくんだって思いながら、(サービスが)スタートするわけです」

■関係者が明かす内情「ひどい赤字体質」

 運営会社に話を聞くため、番組は会社のある建物に向かいましたが、登記に記載されている住所にあるビルには、会社が入っている様子もありません。そのため、元の住所に行ってみると、すでに別の企業が入っていました。

 関係者の自宅を訪ねましたが、「ただよび」を立ち上げた前社長は体調不良を理由に取材に応じることはありませんでした。

 取材に応じた関係者の1人は「ひどい赤字体質だった」と内情を明かします。

 資金繰りの苦しさについて、元講師は様々な事業に手を出したことが原因だと指摘します。

 森田さん:「まず、色んな人に助けを求め、コンサルたちに色々とお金を払う。さらに、出版を立ち上げ。これが一番まずかったと思うが、AIのシステムを作ることに巨額のお金を投資して失敗」

 教育関係の実績は全くない状態で、オンライン型の予備校を始めたといいます。

 運営会社の弁護士に取材を申し込むと、「運営していた会社への取材はお受けしておりません」と回答しました。

 教育評論家の石川幸夫さんは、「病院が患者を放棄するようなもの。最終的に困るのは、エンドユーザーというか、子どもたちや保護者たちになってくるので。経営的な問題というのは、もっと慎重にあるべきだと思う」と指摘しました。

(「グッド!モーニング」2023年7月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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