繰り返された窃盗行為 地に落ちた「カツオ水揚げ日本一」の名声 復活切り札は若手が挑む“デジタル化” 静岡・焼津漁港|TBS NEWS DIG
シリーズ「現場から、」です。相次ぐ冷凍カツオの窃盗がおととし発覚した静岡県の焼津漁協。犯罪の要因となった港の「古い体質」を根本から変えようと、若手を中心に「デジタル改革」を始めています。
焼津漁港のベルトコンベヤーを流れる色とりどりの魚たち。この映像は、焼津市の機械メーカー「イシダテック」が開発中のAIによる冷凍カツオの選別システムです。
イシダテック 事業推進室 中原正寛さん
「コンベヤーの上にカメラを設置して、撮影した魚がカツオであるかないか、重量を判別するシステムを検証している」
焼津漁協と共同で開発が進められる最新のデジタル技術。カツオの街・焼津のブランド力復活の切り札として期待されています。
焼津漁港では長年、一部の漁協職員と業者が共謀して「小遣い稼ぎ」を目的に、冷凍カツオを計量せずに外へと運び出す窃盗行為を繰り返していました。被害額は少なくとも数十億円規模に。カツオの水揚げ日本一の名声は地に落ちました。
不正がはびこった背景には、アナログで閉鎖的な市場の古い体質がありました。
焼津漁協 小梁金男 常務理事
「ネットワーク化して、ここで量った重量をすぐに誰かが確認できる状態を目指している」
以前は紙ベースで一部の職員らが管理していた計量データなどをデジタルで「見える化」し、透明性を確保します。
焼津漁協 小梁金男 常務理事
「事件以降、焼津漁協は変わらなきゃならない。そのためにデジタル化は大変有効なツールだと思っている」
しかし、漁港のデジタル化には大きな壁が立ちはだかります。多額の初期投資が必要で、年配の職員は順応に時間がかかるなど多くの課題があります。
計画は数年がかり。ただ、今、始めなければ手遅れになると、若手を中心に危機感が強まっています。
この日、焼津漁協の会議室に集まったのは30代から40代を中心とした職員たち。去年、発足した「焼津魚市場改善改革チーム」です。若手を中心にデジタル化についてさらなる議論を進めています。
焼津漁協 橋本健さん
「いま、変わる時だと思っています。考え方を根本から変えて、少しでも信頼回復につながるなら、1日でも早くデジタル化が進んでいけばと思っています」
デジタルを武器に悪しき慣習を断ち切り、信頼を回復できるのか。焼津漁協はまさに今が正念場です。
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