アフリカ諸国は懸念 ウクライナ穀物輸出ルート遮断…ロシアが穀物合意を一方的に停止(2023年7月18日)

アフリカ諸国は懸念 ウクライナ穀物輸出ルート遮断…ロシアが穀物合意を一方的に停止(2023年7月18日)

アフリカ諸国は懸念 ウクライナ穀物輸出ルート遮断…ロシアが穀物合意を一方的に停止(2023年7月18日)

ロシアが、黒海を経由するウクライナ産の穀物輸出の合意を停止すると表明しました。『世界の食料供給』への深刻な影響が懸念されています。

ウクライナ産の穀物は、オデーサから出港し、黒海を通り、イスタンブール沖で国連の検査を受けるというのをウクライナ・トルコ・ロシアの間で合意していました。“穀物回廊”とも呼ばれる4者合意ですが、ロシアが一方的に停止しました。船舶の位置情報を提供しているサイトを見ると、ウクライナから貨物船は、一切、出港できていません。

国連・グテーレス事務総長:「途上国で苦しむ人たちに選択肢はありません。飢えに瀕している数億人や、生活費の高騰に直面する消費者がそのツケを払うのです」
アメリカ・トーマスグリーンフィールド国連大使:「ロシアが、これまでの成果とすべての希望を捨てました。一国が、人類全体を人質に取ろうとした結果です」

再び破壊されたクリミア大橋。ウクライナが海から行った反転攻勢の一つといわれています。ロシア側は、黒海での動きに敏感になってきました。
ロシア・ポリャンスキー国連大使代理:「ウクライナは海上の人道回廊を利用し、ロシアの施設を攻撃しているため、ロシアはこの合意から離脱する」

日本は、ウクライナ産の穀物をあまり輸入しておらず、小麦も国が輸入し、製粉会社に売り渡しているため、価格面ですぐに影響が出ることはないとされています。しかし、野村農林水産大臣は、こう述べます。
野村哲郎農水大臣:「小麦、トウモロコシなど、穀類の国際価格や、世界の食料供給への影響が懸念される」

ウクライナ産の穀物の行き先は、多くがアフリカ諸国です。去年も穀物合意がされるまで、関係国は食料危機に陥るなど、大変な目にあいました。

今回の件について、国連安保理では、このような批判が上がりました。
モザンビーク・アフォンソ国連大使:「今回の戦争は、多くの命を奪い、社会経済の重要インフラを破壊して、世界的な食料不足を招きました」
ガーナ・アジェマン国連大使:「生産される穀物すべてが、世界に届けられるようにすべきです。この合意で45カ国に3200万トンの穀物が輸出されてきましたが、延長されず、誠に遺憾です」

こうした批判に対し、ロシアは、こう話します。
ロシア・ポリャンスキー国連大使代理:「私たちは、すべての購入者にロシア産穀物を提供する義務を果たし、発展途上国の困っている人を助け続けます」

「ウクライナの代わりに自分たちがアフリカに提供する」と言っているように聞こえます。また、ウクライナから土地や在庫を奪ったからなのか、ロシアの穀物輸出は増加しています。

去年、4者が合意するのにイニシアチブを発揮したのはトルコでした。
トルコ・エルドアン大統領:「ロシア連邦大統領である我が友プーチン氏は、この人道的回廊の継続を望んでいると私は信じています。彼は、来月、我が国を訪問するので、穀物の件も含めて話し合いたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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