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今年すでに30回発生…予測困難でも身を守るには?“線状降水帯”名付け親に聞く(2023年7月13日)
12日に茨城県行方市で発生した突風。一夜経っても、影響は続いていました。行方市にある事務所では、エアコンのつかない状態が続いています。
住民:「外の方が涼しい。しょうがない」
裏手の倉庫では、屋根や壁などが、ごっそり吹き飛ばされてしまいました。
住民:「これはさすがに、たまげたわ。屋根が飛ばされるくらいなら、台風でもあるんです。ここまでになるのは私も…」
近くの喫茶店に設置されている防犯カメラの映像を見ると、画面全体が白いもやで覆われ、強い風が吹いているのがわかります。
気象庁の職員が13日、倒壊した建物などの被害状況を確認しました。調査では、突風は1分~10分と、比較的短時間だったとの証言があります。発生当時の衛星『ひまわり』の映像でも、厚い雲が瞬間的に発生している様子が見てとれます。
列島で、激しい雨が猛威を振るっています。10日には、福岡県と大分県に警戒レベルが一番上の『大雨特別警報』が出されました。
この雨では、未明から、突如、『線状降水帯』が発生。24時間降水量が400ミリを超す所もありましたが、線状降水帯が発生するとの予測は出ていませんでした。
『線状降水帯』の名付け親でもある加藤さんは、その数は増え続けていると指摘します。
気象研究所台風・災害気象研究部の加藤輝之部長:「線状降水帯を含む集中豪雨については、ここ45年間で調べたところ約2.2倍、増えている。特に、梅雨期の7月に限っては、3.8倍に増えています。線状降水帯もバリエーションがあって、すべて、同じ理由で、積乱雲が次から次へ発生しているわけではないので、その点が非常に難しくしている」
非常に予測が難しい線状降水帯ですが、今年に入って、12日までにすでに30回発生しています。
※なぜ、線状降水帯が頻発しているのでしょうか。
気象研究所の加藤輝之部長によりますと、「地球温暖化によって、下層の空気が暖められたり、海水温が高くなっているのが主な原因と考えられる。線状降水帯を含む集中豪雨は、この45年で約2.2倍に増えている」といいます。
※今週、発生した線状降水帯は、北陸や九州でしたが、その特性はあるのでしょうか。
加藤部長によりますと、気圧配置が関係しているといいます。梅雨前線が九州の北側に位置していて、そこに中国大陸から上空に湿った空気が流れ込んできます。太平洋高気圧の縁を通って、大雨をもたらす下層の暖かく湿った空気が流れ込む。その風がぶつかることによって、積乱雲が次々に発生し、線状降水帯ができやすい環境になる。同様に前線の位置が変わると、北陸付近に線状降水帯ができやすい環境になるということです。
過去の事例で見てみますと、線状降水帯がどのような所にできやすいかわかってきました。それが、前線から南に200~300キロ、高さ1キロほどの間で、大量の水蒸気がある場所にできやすいということです。
※そこまでわかっているのに、発生を予測するのは難しいのでしょうか。
加藤部長によりますと、12日の北陸のように線状降水帯の発生場所が海上だった場合は、「海上には、観測地点がなく、観測船を大量に配置することも現実的ではないため、水蒸気の量を正確に測ることが非常に難しい。そのため予測も困難」といいます。そのうえで、「線状降水帯の予測は出ていなくても、大雨に関する何らかの予報は出ている。大雨が降るということは、線状降水帯が発生する可能性もゼロではない。そういう危機感を持ってほしい」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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