1980年 モスクワ五輪 選手村は厳重警戒 選手も出入りのたび検問 武装兵士も(2022年2月19日)
1980年のモスクワオリンピック開幕直前に放送された特派員の現地からのリポートです。
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報告:ANN 生田慎司特派員
オリンピック選手村です。
各国選手団も、続々到着して賑わっています。
しかし1972年のミュンヘン大会で起きたテロ襲撃事件以来、残念なことにオリンピックは厳しい警戒態勢のもとで開かれるようになりました。
今回のモスクワオリンピックもその例外ではないようです。
選手村の周囲はぐるりと金網で囲まれ、要所要所には自動小銃を肩にした兵隊が配置されています。
パトロールする警官の姿もみられます。
選手団は空港では手続きをせず、まっすぐ選手村に向かいます。
入村手続きのあと、通関所でX線透視装置による荷物の検査とボディチェックを受けます。
選手たちの宿舎と、レストランや商店街などがあるいわゆるインターナショナルゾーンのあいだには検問所が設置されています。
選手たちも食事や買い物などの出入りのたびにチェックを受けています。
欧州放送連合の西ドイツスタッフ:
「警備はモントリオール大会より少し厳しいですね。
ホテルの警備がものすごいですよ。放送センターの会場は当然としてもね。
しかし全体としてはモントリオール並みでしょう。」
豪TVのプロデューサー:
「現状では、警備がきついのはやむを得ないでしょう。
チェックにはイライラするがやはり厳しい警備は必要ですね。」
もっとも、こうした厳しいチェックはソビエトの関係者も同じように受けています。
ソビエトのある新聞記者は、日本と同じロシアことわざを引用して「『あつものに懲りてなますを吹く』といったところですね。お互いに我慢しましょう」と苦笑いしていました。
オリンピックは本来、平和と友好の楽しいお祭りです。
しかしそうしたお祭りと厳戒態勢とはどうもそぐわない感じがします。
これもまた政治とかイデオロギーの対立によって引き起こされた悲しい不幸な現象といえるかもしれません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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