基準値2100倍のヒ素検出…説明会で住民から怒りと不安の声 北海道・蘭越町で蒸気噴出【もっと知りたい!】(2023年7月11日)
北海道蘭越町の掘削現場から蒸気が噴出している問題です。飲料水の基準値の2100倍にあたる高濃度のヒ素が検出され、10日夜に開かれた説明会では、住民から怒りと不安の声が上がりました。
■掘削会社「直ちに人体に影響ない」 住民不安
住民:「30年間(私たちが)必死に築いてきたのは、何だと思いますか。信用ですよ。あなた方は、それを補うことは絶対にできない」
掘削会社に対し怒りをあらわにしたのは、この地で農業を営み、生活をしている住民たちです。
掘削会社は、現場近くの水を9日に採取して鑑定した結果、飲料水の基準値の2100倍、農業用水の基準値の420倍に相当するヒ素が検出されたと新たに発表しました。一方で、「直ちに人体に影響が出るものではない」としています。
しかし、このヒ素を含む水は温泉施設にお湯を供給する大湯沼の方向に流れ込んでいて、住民の不安は広がるばかりです。
■2回目の説明会 住民が口にした怒りと不安
そんななか、2回目の住民説明会が10日に開かれ、近隣住民などおよそ90人が参加しました。
三井石油開発・原田英典社長:「多大なるご心配とご迷惑をおかけしておりますことを心より深くおわび申し上げます。申し訳ございません」
およそ3時間に及んだ説明会では、住民が思いをぶつけます。
コメ農家:「何を信用すれば、よろしいのか。不安しかないです。当然、風評被害もですし、今後、我々は一生ここに住んでいかなきゃならないんですよ」
住民:「農民を馬鹿にしている。蘭越は農民の町ですから、商店街も何もみんなダメになっちゃう」
米やメロンの産地として知られる蘭越町。多くの住民が心配しているのが風評被害による損失です。
住民:「事実をすべて開示してください。私たちに信頼感をください。今はあなた方を信頼できません。お願いします。命がかかっているんです、私たちは」
住民からは、行政の対応にも疑問が示されました。
住民:「これは、誰が何をどうして許可を得て、そこであなた方のお仕事を始めたんですか。それを監視するもの、道、国、町そんなのは存在しないんですか」「町からも『生きてますか』の一言もありません。何一つ連絡がございません。無視されている住民です。助けてください。誰でもいいです。助けてください」
多くの住民が口にしたのは、怒りと不安です。
住民:「本当に大地を削って、何かをするっていうことが、そこに住んでいる人間にどんな影響を与えるかっていう認識が甘すぎますよね」
■水蒸気浴びる行為…専門家が注意喚起
掘削会社は今後、地上から大量の水を注ぎ込んで温度を下げ、蒸気の噴出を抑える方針を示していますが、工事は少なくとも8月下旬までかかるということです。
ヒ素に詳しい専門家は、次のように話します。
大阪公立大学医学部・鰐渕英機教授:「急がないとという気がします。興味深く噴出している近くまで見に行って、水蒸気を浴びるとか、そういうことはしないほうがいい。もし浴びたら、すぐに水道水などで洗い流す必要がある」
(「グッド!モーニング」2023年7月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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