事故や災害も温暖化の最前線北極の現状日本の研究チーム調査へ北極ノート(2023年7月7日)

事故や災害も温暖化の最前線北極の現状日本の研究チーム調査へ北極ノート(2023年7月7日)

事故や災害も…“温暖化の最前線”北極の現状 日本の研究チーム調査へ【北極ノート】(2023年7月7日)

日本でも大雨や異常な暑さとなっていますが、世界でも異常気象が相次いでいます。今週、アメリカの研究機関は今月3~5日の3日間連続で「世界の平均気温が過去最高を記録した」と発表しました。

北極圏のグリーンランドは、世界の中でも気温が上がっている場所で、どんどん氷が解け出しています。その量は深刻で、2004~2010年の6年間で、海水面を上昇させた原因の約25%だと言われています。

今回、取材に向かったのは、日本から約7200キロ離れたグリーンランドの北西部に位置する『カナック』。この村に訪れた理由は「北極で今なにが起きているのか」を取材するため。カナックは、日本の研究チームが毎年訪れ、北極の氷などを観測する拠点になっています。

カナックの人口は600人ほど。今も狩りが生活の一部となっている猟師の村です。彼らの生活にも、温暖化の影響が出てきています。

狩猟などの移動手段に欠かせない『犬ぞり』。しかし、温暖化によって海に張る氷が薄くなり、事故も多くなってきたといいます。

長年カナックに住む猟師:「(Q.昔に比べて環境の変化を感じますか)今よりも昔の方がずっと寒かったです。今は腰くらいの氷の厚さだけど、私が若いころは頭くらいの厚さがありました」

温暖化の影響は他にも。7年前、氷河から流れ出る河川が増水し、村と空港をつなぐ唯一の道路を破壊。村人の生活にもかなり影響が出たということです。温暖化で急激に氷河が解け出たことと、数年に一度しか降らない規模の豪雨が、洪水を引き起こしたと言われています。

長年、北極での調査を続ける、北海道大学の杉山慎教授。これまで何度もこの地を訪れ、現地の人たちと温暖化の影響について意見交換してきました。杉山教授が来週、このカナックに到着します。北極で今何が起きているのか。日本の研究チームが、温暖化の影響がどこまで進んでいるのかを明らかにします。

■連日40度超予想“高温警報”も

強い暖気の中にあるスペインにいる佐藤裕樹記者に聞きます。

佐藤記者:「こちらは午後3時半を過ぎ、スペイン南部セビリアの気温は33度に達しました。肌感覚では、それ以上の暑さを感じます。私の後ろにあるのは、セビリア大聖堂で、コロンブスの墓があることで有名な観光地ですが、午前中に比べて、日向はほとんど人がいなくなっています。スペインではこの時間が最も暑いこともあって、観光客の皆さんは日陰やパラソルの下で過ごす人が多いです。スペインでは9日から、最高気温が連日40度に達する予報で、セビリアでは12日に44度まで上がる見込みです。気象当局は高温警報を出し、熱中症予防として、日中は外出しないよう呼び掛けています。この熱波によって、スペインでは、オリーブやトマトなど農作物の生産に打撃が出ています。特にオリーブオイルは、世界的な価格高騰をまねいていて、熱波は決してスペインだけの問題ではありません。日本を含む世界に大きな影響を与えています」

■暖気の影響を受けている北極圏のグリーンランドにいる、松本拓也ディレクターに聞きます。

松本ディレクター:「グリーンランド北西部カナックという村にいます。現在時刻は11時半過ぎ、気温は3度ほどです。北極点から1400キロほどしか離れていない場所で、南極の昭和基地よりも極点に近い場所になります。この村に到着して1週間ほどになりますが、日本と比べるとかなり乾燥しています。白夜で一日中、日が出ているのもあって、何時に洗濯物を干してもすぐに乾きます。グリーンランドは夏を迎えていますが、カナックの村の周りは氷で覆われています。一面、凍っているように見えますが、地元の猟師に話を聞くと、『昔は今よりもずっと寒くて、氷も今より厚く、この時期でも犬ぞりがもっとやりやすかった』と話していました。8日以降、北海道大学の研究チーム20人ほどが順次、カナックに到着し、氷床融解や海の動物の生態系の変化について研究を始めます。私たちも研究に同行して、北極で温暖化がどのように進んでいるのか取材を続けます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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