専門家不均衡になり落下の可能性工法横取り仮設とは橋げた落下で2人死亡(2023年7月6日)

専門家不均衡になり落下の可能性工法横取り仮設とは橋げた落下で2人死亡(2023年7月6日)

専門家「不均衡になり落下の可能性」 工法『横取り仮設』とは…橋げた落下で2人死亡(2023年7月6日)

静岡市の国道工事現場で6日午前3時ごろ、重さ140トンの橋げたが落下し、8人の作業員が巻き込まれ、室田久生さん(53)と前田要さん(51)の2人が死亡しました。

工事の概要です。

事故が起きたのは、静岡市清水区にある国道1号・静清バイパスの工事現場。この場所は1日に約7万台の車が通行していて、日ごろから渋滞が発生しているため、渋滞緩和の目的で2.4キロに渡って道路を高架にする工事が行われています。

T字部分が、高架にするための橋脚です。橋脚と橋脚の間に、鋼鉄製の橋げたをかける作業をしていました。落下した橋げたは、長さ約63メートル、幅約2.5メートル、重さ140トンです。『横取り・降下』という工法で作業が行われていました。

◆どういう作業工程なのでしょうか。横浜国立大学の勝地弘教授に聞きました。

橋脚と橋脚の間に『ベント』と呼ばれる仮設の足場を設置。いくつかの橋げたのパーツを『ベント』の上にクレーンで持ち上げ、『ベント』の上で連結させて63メートルの長さにします。この段階では仮設の状態です。

レールと油圧ジャッキを使って、橋げたを本来設置する位置まで横にスライドさせていきます。これが『横取り』。国道1号のように交通量が多いなどの事情で道路の上に『ベント』を設置できない場合、『横取り』工法が行われます。

最終的に『支承』と呼ばれる部分に橋げたを降下させます。『支承』は、いわゆるクッションのような役割。『支承』の真上まで橋げたを移動させたら『降下』の作業に移ります。

どうやって『支承』の上に橋げたを降下させるかといいますと、スライドさせた橋げたを油圧ジャッキと『積み木』で支えます。その後、ジャッキと『積み木』の高さを交互に変えながら、橋げたを『支承』に降ろしていきます。これが『降下』です。

国土交通省によりますと、今回の事故は、橋げたを降ろす際に起こったといいます。

詳しい事故原因はまだわかりませんが、勝地教授によりますと、「橋げたを支承に下ろすのは、ミリ単位で、水平を保ちながら行う繊細な作業。ジャッキの操作ミスや故障など、何かしらの理由で橋げたが不均等になり、落下した可能性がある」としています。

事故現場の様子を見てみると、道路に対して橋げたが水平に落ちたのではなく、片方が大きく橋脚から離れているのがわかります。今回、作業員がどこにいたかはわかっていませんが、「作業している橋げたの下に作業員がいないのは鉄則だ」と勝地教授は話しています。

国土交通省は、事故調査委員会を設置し、事故原因の究明などを行うとしています。
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