「インターネット遮断」イラン政府が発信したくない“弾圧” デモ参加者201人殺害か(2022年10月12日)

「インターネット遮断」イラン政府が発信したくない“弾圧” デモ参加者201人殺害か(2022年10月12日)

「インターネット遮断」イラン政府が発信したくない“弾圧” デモ参加者201人殺害か(2022年10月12日)

 イランで、スカーフのつけ方が不適切だとして、警察に拘束された女性が死亡した事件が、世界中で波紋を広げています。こうしたなか、SNSなどで情報が拡散しないようイラン政府が取った驚きの対策とは。

 労働者たちは「独裁者に死を」などと叫びました。

 経済制裁による生活苦への不満も重なり、デモは全土で広がりをみせています。

 複数の中東メディアは、10日、イラン南部の複数の石油・化学工場の労働者らがストライキを行ったと報じました。

 さらに、イランの人権団体によりますと、南西部の一大拠点の製油所でも11日、抗議デモが起こったといいます。

 製油所などでのデモは、イランで大きな意味を持ちます。

 1979年のイラン革命の際に、こうした製油所などでのストライキが王政打倒に重要な役割を果たしたとされているからです。
    
 デモのきっかけは、マフサ・アミニさん(22)の死でした。先月、女性が頭髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」を適切に着用していなかったとして、風紀警察に逮捕され、その後、急死しました。

 警察が殺害したことを疑う国民の怒りが爆発したのです。

 ヒジャブについての取り締まりは1年前に発足したライシ政権でさらに強化されたといいます。

 ライシ大統領、「ヒジャブ」を巡ってはこんなことも。

 先月、ニューヨークで、イランで育った女性司会者とのインタビューを「ドタキャン」したのです。直前に、女性司会者が「ヒジャブ」の着用を断っていました。

 また、8日、首都テヘランの大学での演説では、デモの参加者を「ハエ」に見立てた詩を朗読したといいます。その直後に撮影されたとみられる動画では…。
 
 「ライシは失せろ」。女子学生らが繰り返し叫びました。

 イランでは、大統領らへの直接批判は異例なことから、こうしたSNS上で行われ広く拡散しているといいます。

 そんななか、イラン政府がとった対策が、インターネットの制限だというのです。CNNがデモ参加者の話として伝えています。

 デモ参加者:「これはイラン政権が世界に見せたくないものです」「ここでは多くの人が殺されています。インターネットが遮断されているため、私たちはSNSで情報を発信することができませんでした。国民は本当におびえています」

 インターネットを遮断することで、イラン国外に、デモ参加者を“弾圧”する様子を発信させないようにしているというのです。

 人権団体によりますと、12日までに少なくとも201人のデモ参加者が殺害されたといいます。

 CNN:「人権団体は政府が犯罪を隠すために停電を利用していると言っています」
  
 しかし、イランの問題はすでに世界に広がっています。
 
 アメリカのオバマ元大統領も夫妻の名で、抗議デモを支持する声明を出しました。

 米、オバマ元大統領夫妻の声明:「私たちは、あなた方の抗議行動に心を動かされ、変革を求める声に抵抗する政権へ立ち向かうあなた方の勇気を目の当たりにしています」

 またバイデン大統領も、抗議デモへの取り締まりに、重大な懸念を抱いていると声明を出しています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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