蒸気噴出で人的被害なし一転硫化水素中毒で女性入院掘削調査会社公表せず羽鳥慎一 モーニングショー(2023年7月5日)

蒸気噴出で人的被害なし一転硫化水素中毒で女性入院掘削調査会社公表せず羽鳥慎一 モーニングショー(2023年7月5日)

蒸気噴出で「人的被害なし」一転…硫化水素中毒で女性入院 掘削調査会社“公表せず”【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年7月5日)

 北海道蘭越町にある地熱発電の調査現場から、蒸気が噴き出している問題。掘削を行っていた企業が4日夜、住民説明会を開いた。現場近くの川で農業用水の基準を超えるヒ素が検出されたことを明らかにしている。

■ジェット機のような轟音 数キロ先でも…

 蒸気の柱は周囲に轟音(ごうおん)を響かせ、50メートルあるという鉄塔を優に超える高さまで吹き出した。

 先月29日、北海道蘭越町での地熱発電の調査現場で起きた蒸気の噴出の轟音は、数キロ先でも聞こえたという。

 近くの宿 従業員:「ジェット機がずっと、そこら中飛んでるくらいの。本当に飛んでいるって感じの音ですよ。ゴーですよ」

■お見舞いに訪れた会社側とのやり取り

 掘削調査を行っていた三井石油開発は「有害な硫化水素ガスは、周辺地域では観測されていない」と発表していた。しかし、紛失があった掘削現場では…。

 硫化水素中毒と診断された40代女性:「いきなりバリバリバリって音がして、(蒸気が) 噴いて爆発した」

 発生当日、掘削現場に弁当を配達に行ったという女性は、車から弁当を降ろそうとした瞬間、蒸気の噴出が起こったという。その直後、体に異変が起きたという。

 女性:「すぐ頭も痛くなって、吐き気もともなったので」

 病院での診断は「硫化水素中毒」で、女性は入院を余儀なくされたという。

 当初、人的被害はなかったとしていた掘削調査会社は4日、次のように説明した。

 三井石油開発:「現場敷地内に配送のため訪れていた方1名が、現場を離れたのちに体調不良を訴え、入院されていました。近隣住民の皆様の不安をあおることを防ぐため公表を控えていましたが、それによりかえってご不安を招く事となりましたことをおわび申し上げます」

 さらに、女性はお見舞いに訪れた掘削調査会社の担当者とのやり取りを明かした。

 女性:「『診断書とかは必要ですか?』と言ったら、『そういうのはいらない。公にしたくないので』(受け取りを) 断られた」

 これに対し、掘削調査会社は「『公にしたくない』と話した事実はない」としている。また、女性の親族から被害の連絡を受けた蘭越町も「蒸気との因果関係が分からなかった」として、公表していなかった。

■絵の具を溶かしたかのように真っ白な川

 近隣住民:「(Q.これまでに見たことは?)ないね。初めて。不安だよね」

 噴出現場近くの林道を歩いてきたという男性は、水蒸気の噴出現場周辺では白い水滴が雨のように降り注いでいたという。

 蒸気を目撃した男性:「(林道側は)まったく規制線も張られていない状態だったので、そちらから歩いて見に行きました。(噴出している蒸気が)冷たい雨みたいな感じで、降り注いでいるような状態」

 男性が履いていた靴も、蒸気の影響で白く汚れている。

 男性:「靴とかはちょっと、白く汚れちゃったかな」

 噴出現場近くの草木の葉にも、蒸気の影響からか、雪が降ったかのように白いものが付着している。

 現場からおよそ500メートル離れ、本来なら透き通っているはずの川は、絵の具を溶かしたかのように一面真っ白に。噴出直後には、川底が見えないほど、真っ白だった。

 噴出場所から2キロ以上離れた用水路の水もこの状況。蘭越町では周辺農家に川の水を農業用水として使わないよう注意を促し、土壌などに影響がないか現在も調査中だという。

■「被害額500万円超の危機」農家が訴え

 ファミリー農園日比野・日比野準代表:「(Q.このお水は、すべて畑用のお水?)僕らの生命線。これが打ち切られた時点で、僕らは死亡する。これがないと作物は作れない」

 蘭越町の特産品・メロンが出荷を目前に控えるなか、日比野さんは調査結果が出るまで、安全を期すために川の水は使わないという。

 糖度が高いのが特徴の蘭越産メロンだが、しっかりと水をやれないことで生育に影響もあるという。

 日比野代表:「この1ハウスで、だいたいメロン1000玉くらい。現状、4ハウスある」「(Q.もしこれが出荷できない場合、被害額は?)メロンだけで500万円を超える」

■説明会で新事実 農家“先行き不透明”

 4日午後7時ごろ、掘削調査会社による住民説明会が行われ、冒頭で住民たちに謝罪した後、新たな事実を明かした。

 三井石油開発:「一部モニタリング場所で、ヒ素の値が農業用水基準を超えていることが分かりました」

 住民:「それは、どんな影響が起こりそうなレベルなんですか?その辺、分かってること教えてもらえますか?」

 三井石油開発:「申し訳ございません。この結果も本日出てきたところで、どういったレベルであるかということについては、まだしっかりと見えておりませんので」

 農業用水として川の水が使えない状態の農家の人たちが、先の見えぬ状況に直面している。

 住民説明会の参加者:「みんなブチギレたい状態なんだよね。何かがあって品質が悪くなったり、今まで築いたブランドに傷が付くっていうのは、どういうふうに補償ができるんですか?」「我々がこれからどうやって(農作物を) 作り続けていいか分からない状況なんですよ」
 
 三井石油開発:「こちらについては一度持ち帰りさせていただきまして、早急にご回答させていただきます」

 住民からの要望もあり、もう一度説明会を開催することを約束し、終了となった。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2023年7月5日放送分より)
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