ザポリージャ原発で退避ロシア爆破テロ計画か核惨事の懸念は日曜スクープ(2023年7月2日)

ザポリージャ原発で退避ロシア爆破テロ計画か核惨事の懸念は日曜スクープ(2023年7月2日)

【ザポリージャ原発で退避】ロシア“爆破テロ計画か”核惨事の懸念は◆日曜スクープ◆(2023年7月2日)

■ザポリージャ原発“破壊計画”職員に退避勧告

ウクライナ国防省は6月30日、南部のザポリージャ原発を占拠しているロシア軍が退避を開始したと発表した。ロシア軍が原発の爆破を計画しているとみて警戒を強めている。ウクライナ国防省情報局は6月30日、ザポリージャ原発からロシア軍が徐々に撤退しており、職員にも5日までに退避するよう勧告が出されていると発表した。法務部長、主任検査官、物流担当副局長3人がクリミア半島に向けて出発した。

■ロシア“原発爆破計画”炉心溶融の危機

ゼレンスキー大統領は25日、「ロシアは原発へのテロ攻撃のシナリオを準備し承認している」と危機感を示した。ウクライナ側は、今回の退避の動きは、ロシア軍による原発の爆破計画の一環とみて警戒を強めている。米シンクタンク・戦争研究所は6月23日、冷却装置が爆破されれば、10時間経過から14日間でメルトダウン(炉心溶融)に至る可能性を指摘した。国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は、ザポリージャ原発にある6基の原子炉のうち5基が冷温停止中、また、1基が高温停止状態にあり、6基すべてに冷却水が必要な状況にあると説明した。グロッシ事務局長は、「地雷などの爆発物は発見されていないが、詳細な調査のために、追加の立ち入り検査をする必要がある」と強調した。

■ウクライナに警戒感“ロシアが原発爆破計画”有事発生の端緒は

ウクライナ国防省情報総局のブダノフ局長は、「ロシアによるザポリージャ原子力発電所爆破計画が起草され、承認された」と警戒感を示した。また、ブダノフ局長は、計画が実行されるタイミングとして、▽ヘルソン州ドニプロ川東岸からロシア軍が追い出された場合、▽ウクライナ軍の攻撃が開始される前に、ロシアの支配エリアを現状維持するための場合、2つのシナリオが準備されていると指摘した。ロイター通信によると、ロシアは23日、同国軍が占拠するウクライナ南部のザポロジエ原発について、IAEAにウクライナ軍の砲撃を阻止して、安全を確保するよう要請した。

■東部バフムトで前進“ロシア包囲網”領土奪還の可能性

ウクライナ軍は、4方面で大規模な反転攻勢を実施し、確実に前進する。東部バフムトの中心部にあるベルヒフカとバフムト南部のクリシチフカでは、ウクライナ軍は、領土奪還に向けて攻勢を強め、ロシア軍と激しい戦闘を続けている。ウクライナ軍の第57独立自動車化歩兵旅団のヤロスラフスキー司令官は6月29日、「バフムト西部の陣地からロシア軍を押し出し、ベルヒフカ付近で戦闘を続けている」と戦況を説明したうえで、「ベルヒフカとクリシチフカの高地にある陣地を解放することにより、ロシア軍を包囲することが可能になる」と語り、今後の戦略見通しを語った。

■スウェーデン製歩兵戦闘車「CV90」火力強化に期待

スウェーデン製の歩兵戦闘車「CV90」がウクライナに到着した。米経済誌フォーブスによると、「CV90」は3人乗りで機関砲を搭載、北欧の森林地帯に最適化された性能を有し、機関砲で木々をなぎ倒すほどのパワーを備えている。この「CV90」の導入により、火砲を撃つ機会が増えると見られ、バフムト地区での戦闘において、火力が大幅に強化される。ロシア軍の要塞を破壊する突破口になるものと期待されている。スウェーデンから50台の提供が約束されている。

■プリゴジン氏の武装反乱で混乱“ウクライナ好機”戦闘の影響は

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創設者のプリゴジン氏が、政権に反旗を翻し、反乱を起こしたことによる国内の混乱に乗じ、ウクライナ軍は、反転攻勢に一定の結果を導いている。ウクライナのマリャル国防次官は6月27日、「ウクライナ東部での作戦を計画する際、ワグネルとロシア国防省の対立を考慮した」と、ロシア国内情勢が不安定化したことを好機としたことを語った。元米海軍特殊部隊員のファーラー氏は6月28日のSNS投稿で、「ロシア軍後退の原因は、ワグネル反乱後のロシア軍の指揮系統の困惑と士気と戦闘力の低下にある」とロシア劣勢の原因を指摘した。米戦争研究所の最新情報を基礎に戦況を詳報・解説する。

★ゲスト:高橋杉雄(防衛省防衛研究所)、廣瀬陽子(慶応義塾大学教授)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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