ロシア軍とワグネル衝突ウクライナ侵攻にどう影響(2023年6月24日)

ロシア軍とワグネル衝突ウクライナ侵攻にどう影響(2023年6月24日)

ロシア軍とワグネル衝突…ウクライナ侵攻にどう影響?(2023年6月24日)

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」がロシア軍と衝突しています。

高島)
ここからは、軍事ジャーナリストの黒井文太郎さんにお話を伺います。黒井さん、よろしくお願い致します。
まず、ワグネルの動きを見てみます。

板倉)
ワグネル代表プリゴジン氏は23日の夜、ロシア軍がワグネルの戦闘員を大量に殺害したとして報復を表明し、ロシア南部に位置するロストフに入ってすべての軍事施設を制圧したと主張しました。さらに、ロイター通信は、モスクワから南に500キロほどに位置しているボロネジですべての軍事施設を占拠したと報じています。こうした動きに対してプーチン大統領は、「軍に反旗を翻した者は全員裏切り者だ」としてロシア軍などに鎮圧を命じています。また、プリゴジン氏が率いるワグネルの戦闘車両に向けてロシア軍がヘリコプターで攻撃を行ったとロイター通信が報じました。ワグネルが掌握したと発表した南部ロストフ州から、より首都モスクワ近いボロネジで攻撃があったということです。CNNはボロネジ州知事の情報として、テロ対策の一環としてワグネルに対する攻撃を行ったと伝えています。ボロネジ州からモスクワまでは、約500キロの距離で、ワグネルは高速道路を使い戦闘員や車両をボロネジへ移動させていると説明しています。

高島)
既に戦闘が始まっているということですが、これはロシアの「内紛」と見ていいんでしょうか?

黒井さん)
同じ陣営ですから、内紛は内紛なんですけれども、現時点ではあくまでも「ワグネル」というグループのプリゴジンというトップが暴発したという段階ですね。

高島)
ウクライナへの軍事侵攻を止めるような動きではないということですね。

黒井さん)
そうですね。一部の部隊が反旗を翻したんですけれども、ただ今のところ同調する動きというのは特に見られないというふうには思うんですけどね。

高島)
同調する市民は多いのではないかというような声もありましたが、そのあたりは?

黒井さん)
軍事組織が入ってきましたので、プリゴジン氏に同調する人たちもいるとは思うんですが、基本的にはプーチン大統領がどう見るかというのが一番大きくて、こういった話が出たのはプーチン大統領の演説の前なんですね。現地の軍も抵抗せずに明け渡したりもしていたんですけれども、それはプリゴジン氏がある程度プーチン大統領と個人的な関係が深いとみんな知っていますから、どうなるか分からない。ただ、プーチン大統領がはっきりと言いましたから、これからは恐らくプリゴジン氏のほうに肩を持つという人はほとんどいないのではないかと思います。

高島)
力の差を考えると、ロシア軍に鎮圧されるのかなと予想されますが、どうでしょう。

黒井さん)
そうですね。ワグネルの戦力について、自分たちは2万5000兵と言ってますけど、恐らくそれは誇張で、例えば半分だとしても1万ちょいぐらいで、ロシア軍が何十万人もいますので、そういった意味で、軍に命令が出たということですから、鎮圧されるのは時間の問題かなというふうに思うんですね。

柳澤)
ウクライナ侵攻でロシア軍の作戦の失敗で相当の犠牲者が出ているということで、ロシア軍の中で不平不満を持ってる人たちがいないわけではない。そういう部分に今回のワグネルの動きが本当に広がるのかどうか。可能性は低いとしても、その辺が次の動きのポイントになるのかと思います。ですから考えるとプーチン大統領は徹底的にここを叩いて、次の動きに広がらないようにするのかなという風に見えますけどね。

高島)
これはどうなんでしょうか?徹底的に戦うのか、もしくはロシア軍としてもワグネルは戦力でもありますから、そこはある程度というか…

黒井さん)
ワグネルのトップクラスのプリゴジン氏とその参謀あたりが投降すればそれが一番いいわけです。プーチン大統領側としては、先ほど柳澤さんがおっしゃったのは面白いなと思うんですけれども、プリゴジン氏にどれだけ同調するか。プリゴジン氏という人はトリッキーな人ですから。この反乱した人が、ロシア軍のそれなりの地位の将軍とかであればまた話は違うかなと思うんですけれども、ちょっとプリゴジン氏に付いて行く人はロシア軍の中では相当少ない。まずちょっと考えにくいかなと思いますね。

高島)
ウクライナ側から見ると、この争いはどう映っているでしょうか?

黒井さん)
ウクライナから見れば、本当にどんどんやってくれということで、内紛すればするほど、いいということですね。それがすぐに今ウクライナの中に入ってきているロシア軍の戦力がどんどん減っているということではないので、今すぐに戦況が変わることではないですが、ダメージとしてはありますし、ウクライナはだいぶ前からプリゴジン氏と国防省が揉めているという話を情報戦みたいな形でアピールしていましたから、ある意味仕掛人の1人だということですね。

高島)
ここまで黒井さんにお話を伺いました。ありがとうございました。

サタデーステーション 6月24日OA
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