降り方違う2日連続線状降水帯奄美地方で土砂崩れ 365人孤立(2023年6月21日)

降り方違う2日連続線状降水帯奄美地方で土砂崩れ 365人孤立(2023年6月21日)

「降り方、違う」“2日連続”線状降水帯 奄美地方で土砂崩れ 365人“孤立”(2023年6月21日)

 停滞している梅雨前線の影響で鹿児島県の奄美地方では土砂崩れが起き、6つの集落の365人が孤立状態となっています。2日連続で線状降水帯が発生するなか、1302人に避難指示が出ています。

■「降り方違う」1300人超避難

 鹿児島県奄美大島。大雨で川が氾濫。街を濁流が襲いました。

 宇検村消防団・栄雄大さん:「すごかった。きのうの夕方くらいから降り方がいつもとは全然違う」

 奄美地方では20日、19日と、線状降水帯の発生が続きました。

 島の中学生の学びの場は校庭が水につかり、運動どころではありません。被害は深刻化しています。

 山から滝のように噴き出す雨水。土砂が混じり、水は茶色く濁っています。茶色い雨水はたちまち道路に流れ込んでいきます。車の誘導も慎重です。県道のはるか向こうまで冠水しています。

■がけ崩れ 集落“孤立” 道路は冠水

 雨は土砂災害も引き起こしました。県道などの数カ所で通行止めが相次ぎ、宇検村では6つの集落が孤立しました。365人に影響が出ているといいます。

 宇検村立阿室小中学校・山内啓二教頭:「けさが一番ひどかった。7時から8時ぐらいの間が一番ひどくてバケツをひっくり返したような雨の量と水位が上がったり。あとはがけ崩れが起きて、3カ所ぐらいでがけ崩れで孤立状態になっている」

 孤立した集落に追い打ちをかけるように21日朝、村を流れる名柄川が氾濫。住宅4軒が浸水しました。役場の床も水浸しに。段ボールはテーブルの上。ロッカーは台車の上に避難させました。孤立を解消させようと村の消防団は復旧作業にあたりますが、一筋縄ではいきません。

 宇検村消防団・栄雄大さん:「宇検村の中心地に行く県道の山側が崩れて木が道をふさいでいた。地域の建設業の人が木を切ったり、ショベルカーでどかして片側通行ですけど通れるように一度なった。ただ朝に雨が降り続いていたので、今度は木ではなく土砂が流れ込んできて土砂と冠水して通行止めに」

 宇検村ではこれまでにけが人は確認されていないということです。

■“ひと月分の雨”一日で停電相次ぐ

 いつもはエメラルドグリーンの海と真っ白な砂浜が広がる奄美大島。美しい島を一変させた局地的な大雨。

 一体、どれほどの量の雨が降ったのでしょうか。奄美地方では24時間に400ミリ以上の雨が観測されました。これは平年の6月1カ月分にあたる量です。島では3650軒で停電が発生。完全復旧には至っていません。

 停電が続く瀬戸内町では、雨のなか懸命な復旧作業が行われました。島で取材を続ける地元のケーブルテレビ局は、かつての災害が今に生かされているといいます。

 奄美テレビ放送・福山亜希子ディレクター:「自宅は問題なかったが、雷がすごかった。あんなに一晩中、雷が鳴り続けるのは恐怖だった。10年前に豪雨災害もあったので恐怖を感じながら車を進めた。皆さんあの時の経験があるので早めに避難している人もいる。住民の方があそこは通れないなど案内をしている人もいた」

 奄美市などで809世帯1302人に避難指示が出ています。交通にも影響が出ています。鹿児島空港と奄美大島を結ぶ便の一部で欠航が出ました。島を走るバスも一部の路線で終日運休となっています。

 奄美では夜も再び雨脚が強まる恐れがあり、土砂災害に厳重な警戒が必要です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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