報ステ解説なぜ教官に発砲できた安全管理に問題は陸自射撃場で発砲2人死亡(2023年6月14日)

報ステ解説なぜ教官に発砲できた安全管理に問題は陸自射撃場で発砲2人死亡(2023年6月14日)

【報ステ解説】なぜ教官に発砲できた?安全管理に問題は…陸自射撃場で発砲2人死亡(2023年6月14日)

岐阜県にある陸上自衛隊の射撃場で14日午前、18歳の自衛官候補生が自動小銃を発射し、2人が死亡しました。逮捕後の調べに対して「教官を狙った」と供述しているということです。

逮捕された自衛官候補生は、今回が5回目の射撃訓練だったということです。このうち、実弾を使った訓練は4回。使用していた銃は、1発ずつ撃つことや連射も可能でした。

訓練は、全長約340メートルの室内射撃場で行われていました。

■防衛省は衝撃「自衛隊の信頼失う」
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政治部・湯屋あかね記者に聞きます。

(Q.防衛省内では事件をどう受け止めていますか)

湯屋記者:「自衛官候補生の発砲事件で2人が命を落としたことについて、防衛省では衝撃が走っています。ある陸上自衛隊幹部は『銃の慎重な取り扱いは陸自隊員の基本ルールだ』話、今回の発砲事件にショックを隠せない様子でした。また、自衛隊員のなりてが少なくなっているなか、このような事件が起きると『自衛隊への信頼が失われ、ますます希望者が減るのでは』という懸念を持っている人もいます。陸上自衛隊では、4月に沖縄県でヘリコプターの墜落事故が起きたばかりで、「立て続けに隊員が命を落とすことになり、心が痛む」との声も聞かれました。一方で『このような事件は突然、起こることもあり得るので、完全に防ぐのは難しい』と指摘する防衛省幹部もいます。防衛省は調査委員会を立ち上げ、原因究明と再発防止に取り組む考えですが、具体的な体制については検討中だということです」

■「教官を狙った」安全管理は
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陸上自衛隊東部方面総監を務めた、渡部悦和さんに聞きます。

(Q.今回の事件をどう受け止めていますか)

渡部さん:「ニュースを聞いた時、本当にショックだったし、悔しい思いでいました。40年前に山口の部隊で同じような事件が起こりました。その当時、私は27歳、小隊長で、新隊員を教育する立場でした。新隊員がこういう事件を起こすことがショックでなりません」

(Q.実弾を使った射撃訓練は、どのようなことが行われますか)

渡部悦和さん:「隊員たちは自分の銃を持って、車で基本射撃場に向かいます。到着したら、射撃する順番が決められているので、自分の順番で待機します。実際に撃つ時は、射撃場所に銃を置き、弾薬係から弾薬をもらい、自分の射撃場所に弾薬を置きます。そして、射撃係の号令で、弾倉に弾薬を詰め、銃を置きます。射撃係が号令をかけたら、射撃をするのが通常のパターンです」

(Q.銃の管理は駐屯地などで行っていますか)

渡部悦和さん:「銃を保管する弾薬庫があります。隊員はほぼ毎日、銃を分解して整備を行い、いつでも使える状態にしてから、弾薬庫に返しています」

(Q.弾倉に弾を込めて撃てる状態になるのはどの時点ですか)

渡部悦和さん:「射撃場に行って射撃する直前にしか、弾倉を小銃につけません」

(Q.弾倉にはどのくらい弾薬が入りますか)

渡部悦和さん:「通常、20~30発入ります。しかし、今回は20~30発も弾薬を提供したかは定かではありません。10発でも、私は何も驚きません。自衛官候補生が撃つ弾数として、30発は多い気がします」

(Q.候補生になってから、すぐに銃の訓練は行われるものですか)

渡部悦和さん:「私も自衛隊に入って即、射撃の訓練をしました。実弾を使わないで、銃だけで照準と引き金を引く訓練が大切です。照準をした瞬間に引き金を引く訓練を延々とします。それをしないと、実弾で撃つ時に当たりません。非実射の訓練を重視して、4~5月はやってきたはずです」

(Q.安全管理はどのように行われますか)

渡部悦和さん:「自衛隊においては、実弾射撃をものすごく大切にします。そのなかでも、安全管理は1丁目1番地で重視します。安全管理のための計画・チェックリストを作ってから実施します。実際に射撃場に行ったら、トップに立つ射場指揮官がすべての責任を持ちます。その下で、射撃係が号令をかけて隊員を動かし、安全係が隊員が安全な手順を踏んでいるかどうかを見ます。このような編成で、安全管理を徹底した射撃を実施します」

(Q.銃の扱いもありますか)

渡部悦和さん:「しつけ事項として、射場に来る前に行います。例えば、銃口は絶対に人に向けてはいけない。銃口は通常、下に向けておく。銃を置いた時、またいで移動してはいけない。こういったことなどを教えています」

(Q.安全管理が徹底されているなかで、なぜ教官に銃を向けることができたのですか)

渡部悦和さん:「事件を起こした隊員は、指導官に対して怒り・恨みのようなものを持っていたのかもしれません。その気持ちを制御しきれなかったのではないかと、私は思っています。具体的には、うつ伏せの状態で射撃する“寝撃ち”では、銃口を周りに向けることは難しいです。しかし、ひざで座る恰好だと、銃口を周りに向けやすくなります。そのため、この恰好で射撃したのだと思います」

(Q.突発的な対応は難しいですか)

渡部悦和さん:「難しいと思います。前を向いて撃とうとしていると、周りの人からは見えますが、いきなり振られたら止めることは難しい。万が一、そういう行動をするかもしれないと考え、常日頃から取り押さえる訓練が必要だと、私は考えます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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