報ステ情勢をよく見極めたい岸田総理早期解散に含み胸中は記者解説(2023年6月13日)

報ステ情勢をよく見極めたい岸田総理早期解散に含み胸中は記者解説(2023年6月13日)

【報ステ】「情勢をよく見極めたい」岸田総理“早期解散”に含み…胸中は?記者解説(2023年6月13日)

岸田総理が13日、衆議院の解散・総選挙について踏み込みました。「今は考えていない」という従来の発言から一転、「国会の会期末の間近になって、いろいろ動きがあることが見込まれる。情勢をよく見極めたい」と述べ、早期の解散も視野に入れていることを明らかにしました。

13日夕方に行われた総理会見は本来、閣議決定された少子化対策の方針に関するものでした。

岸田総理:「将来に明るい希望を持てる社会を作らない限り、少子化トレンドを反転することはかないません」

しかし、質疑応答になると、その中身は“解散”の話題に。

岸田総理:「(Q.内閣不信任案は解散の大義になるか)それについて現時点ではお答えすることは控えます

サミット終了後から何となく吹き始めていた“解散風”。会期末を1週間後に控え、永田町は敏感になっています。

憲民主党・岡田幹事長:「(Q.不信任案は解散の大義になり得るか)大義があろうがなかろうが解散してきたのが、今までの自民党ですから。大義がある・ないという議論をいくらしても、関係なくやってくるんだろうなと。それが望ましいかといえば、望ましいことではもちろんありません」

その根拠になっているのは、こういったものからです。1つは、13日示された少子化対策。第3子に月額3万円といった児童手当の増額。親が働いていなくても、保育園の利用を可能にする一時保育の拡充。給食費の無償化。週休3日の普及や時短勤務などを小学校就学前まで可能にできる、勤務選択制の導入などの働き方改革。多岐にわたる方針が示されました。これらを実現するには、3兆円台半ばの予算が必要になります。しかし、その財源ついて総理は…。

岸田総理:「少子化対策の財源は、歳出改革等を通じて公費を節減するとともに、国民の社会保険負担を軽減し、それらの効果を活用することによって、国民に実質的な追加負担を求めることなく、少子化対策を進めてまいります。少子化対策の財源確保にあたって、実質的な追加負担にならないことを目指していきたい」

つまり、来年度の予算編成が本格化する年末まで、議論を先送りしたことになります。さらに、防衛増税についても「2024年以降の適切な時期に行う」としていたものを、2025年に先送りする見通しとなってきました。

鈴木財務大臣:「税制措置の開始時期につきましては、昨年末に閣議決定した枠組みのもとで、行財政改革を含めた財源調達の見通し、景気や賃上げの同行および、これらに対する政府の対応を踏まえて、今後柔軟に判断していく」

つまり、年末にかけて、岸田総理は負担増をめぐる議論を避けられることになります。選挙の時に負担増の話は誰だってしたくはありません。

立憲民主党・泉代表:「いよいよ選挙が近付いているのではないか。なぜかというと、岸田総理が次々と財源を先送りしているから。『先送り 選挙が終われば 負担増』十分にあり得るのではないか。防衛費もそう。13日に記者会見をされるらしいが、果たして、こども予算財源がどこまで示されるのか問われている」

総理の胸の内は…。

岸田総理:「(Q.今の国会で解散に踏み切るのでは。衆院を解散する考えは)岸田政権は、これまで先送りされてきた困難な課題の一つひとつに、答えを出していくことが使命と覚悟して政権運営をしてきた。解散・総選挙についても、この基本姿勢に照らして、いつが適切なのか、諸般の情勢を総合して判断していく。こうした考え方。こうした基本姿勢に照らして判断するが、今の通常国会、会期末間近になって、いろんな動きが見込まれる。情勢をよく見極めたいと考えている。現時点でそれ以上の答えは控えたい。(Q.不信任案は解散の大義になるか)現時点では答えを控える」

■「早期解散」か…総理の胸中は
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官邸キャップの千々岩森生記者に聞きます。

(Q.選挙前は、国民の負担増について誰も話したくない。岸田総理が13日の会見で、具体的な財源論に踏み込まなかったということは、逆に言えば、岸田総理の頭の中には、くっきりと“解散・総選挙”があるとみて良いですか)

千々岩森生記者:「その通りだと思います。財源論から見えるのは、少なくとも年内はフリーハンドになった、いつ解散しても良いように、岸田総理が意図的に環境を整えたのだと思います。国民負担を含む財源の議論は、少子化については年末、防衛費については2024年でいいので、今年は耳の痛い議論が必要ないことになります。つまり、解散・総選挙は会期末の6月でもできるし、もうひとつの本命の今年秋、9~10月の臨時国会冒頭を主戦場とする時期でもできる、という状況になりました。13日の会見で、岸田総理の解散についての言い方が明らかに変わりました」

(Q.岸田総理は「情勢をよく見極めたい」としていますが、解散の腹は決まったとみえますか)

千々岩森生記者:「解散について言い終わった岸田総理は、ニヤッと笑いました。解散の質問は代表質問で出たので、岸田総理は事前にどういう質問が来るか分かっていました。あえて言った、どういう反応が出るか分かって発言したように見えましたし、総理は解散風をあおったなと感じました。実際、岸田総理の会見を受けて、永田町はザワついています。官邸を取材すると、岸田総理が本格的に解散を視野に入れたのは、サミット前の5月上旬だったようです。このころ、官邸幹部から事務方に対して、いつ解散したら投開票日は何月何日になるか、その際に重要法案はどうなるか、スケジュールを作成するように指示が出ました。今から1カ月ちょっと前です。もちろん、実際に解散するかしないかは分かりませんが、少なくともこの会期末、つまり早ければ今週後半、もしくは来週あたりに、岸田総理が解散を“検討”していることは確かなようです」

[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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