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豪雨被災地に再び激しい雨 “国宝の寺”深刻被害 台風×前線で大雨の恐れも(2023年6月9日)
豪雨被害の爪痕が残る愛知県や静岡県を9日に再び激しい雨が襲いました。さらに台風3号の北上に伴い、梅雨前線が活発化し、週末以降、太平洋側などで大雨になる恐れが出てきました。
■豪雨被災地に再び激しい雨 台風×梅雨前線
横殴りの雨が打ち付ける千葉県富津市。木更津駅前も、台風のような状況です。雨は9日も過ぎ去ってくれません。
愛知と長野を結ぶJR飯田線は、愛知県新城市付近で土砂が流入し、一部区間で終日運転を見合わせています。
静岡県磐田市を流れる敷地川。8日から降り続く雨で、川は三度、危険な状況です。普段は見えている中洲は、雨ですっかり見えなくなりました。敷地川は去年と先週、2回堤防が決壊し、土嚢(どのう)で応急処置がされていましたが、それに迫る勢いです。
袋井土木事務所・担当者:「(水位は)1メートル弱くらいは、上がっているかも」
裾野市を流れる黄瀬川も徐々に水位が上がり、橋げたに迫る勢いです。
■紀州徳川家“国宝の寺”深刻被害
思わぬ理由で、復旧が進まない場所がありました。
長保寺・住職、瑞樹正哲さん「きれいなキラキラした白砂だったけど、見る影もない」
甚大な被害を被った和歌山県海南市。西暦1000年に創建された長保寺は、春には桜が咲き、白砂が敷き詰められた境内も…。裏山の土砂が流れ込み、その面影はありません。階段を滝のように土砂が流れていきます。裏山は水路が整備されているため、水害に強く、紀州徳川家の墓所もあります。ただ、この大雨は持ちこたえられませんでした。
長保寺・住職、瑞樹正哲さん:「崩れた様子から見て、鎌倉時代以来、初めて崩落したことになる」
紀州徳川家ゆかりの寺は、国宝にも指定されています。そのため、土砂の撤去にも国との協議や膨大な手続きが必要です。
長保寺・住職、瑞樹正哲さん:「何をするにも、文化庁長官の許可。許可申請にいたるまで、文化庁長官にあげられるほどの内容の書類を向こうの書式で作らないといけない」
現在、境内は立ち入り禁止。復旧のめどは立っていません。
長保寺・住職、瑞樹正哲さん:「木も根こそぎ倒れている。今のところ、どうするんだですよ」
気がかりなのは、北上する台風3号です。陸地からは離れた所を通過するものの、梅雨前線を活発化させる恐れがあります。
気象予報士・今村涼子:「日曜から週明け月曜にかけて、梅雨前線が活発化して、太平洋側を中心に強い雨となって、大雨になる恐れが出てきている。特に太平洋側は、平年の5倍以上の雨が降っている所もある。そうなると、地盤が緩んでいるので、たとえ雨が強まらなくても、土砂崩れが発生する恐れがある。決して油断はできない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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