「ロシア軍がダム破壊」濁流迫る…ザポリージャ原発 冷却水に懸念(2023年6月6日)

「ロシア軍がダム破壊」濁流迫る…ザポリージャ原発 冷却水に懸念(2023年6月6日)

「ロシア軍がダム破壊」濁流迫る…ザポリージャ原発 冷却水に懸念(2023年6月6日)

 ウクライナ軍はロシア軍がヘルソン州にあるカホフカ水力発電所のダムを破壊したと発表しました。ザポリージャ原発の冷却水の取水に影響が出る恐れがあります。

■「ロシア軍がダム破壊」濁流迫る

 ドローンで撮影されたとみられる映像です。川をせき止めるダムの一部が破壊され、貯水池から激しく水が流れ出ています。

 場所は、ウクライナ南部ヘルソン州ドニプロ川にあるカホフカ水力発電所のダムです。水が流れ込んでいるのはダムの近くにある動物園だといいます。ウクライナ側の地元当局者によると、周辺の集落で洪水が起きていて、住民の避難が行われているといいます。さらにこのダム、ロシア軍の支配下にあるザポリージャ原発の冷却水も供給しています。貯水量が下がれば、その冷却水を確保できなくなる恐れがあります。

 ウクライナ軍は6日、ダムを破壊したのはロシア軍だと発表。一方、ロシア国営メディアはウクライナ軍の砲撃で損傷したと主張しています。

 ヘルソン州は一時、ロシアが大部分を占領しましたが、去年秋、ウクライナがヘルソン市などを奪還。現在はダムのあるドニプロ川を挟んで北側にウクライナ軍、南側にロシア軍がいる形で対峙している状況です。

■ダム破壊「深い所に爆薬ないと」

 東京大学先端科学技術研究センター・小泉悠専任講師:「かなりの巨大構造物なので、ミサイル何発かでふっ飛ばすのは極めて難しい」

 巨大なダムの破壊。専門家は不可解な点があると指摘します。 

 ウクライナ、ロシア双方がダムの破壊は相手の攻撃と主張しています。

 東京大学先端科学技術研究センター・小泉悠専任講師:「カホフカダムはかなり巨大な構造物なので、あれをミサイル何発かでふっ飛ばすのは極めて難しい。つまりダムの深いところまで潜って爆薬を仕掛けないと、あれだけの結果にはならない気がする。ロシアがやったと考えるのが現状では説明がつきそうだが、何のためにそれをしたのかなかなか見えにくい。恐らくロシア軍の陣地も相当水に流されてしまうので」

 ウクライナのゼレンスキー大統領は、ダムの破壊を受けて「ウクライナのすべての場所からロシアのテロリストを追い出さなければならない証明だ」としています。ウクライナの反転攻勢に関わる動きなのでしょうか。

■“ドローン攻撃”裏にウクライナ?

 兵士:「ロシア義勇軍団はノバヤ・タボルジャンカを支配している」

 ノバヤ・タボルジャンカはウクライナとの国境に近いロシア・ベルゴロド州の村です。

 兵士:「ここが放棄された村ではなく5000人が住んでいた場所だとすべてのロシア国民に思い出してほしい。だが今はロシア義勇軍団以外誰もいない」

 制圧を主張しているのは「ロシア義勇軍団」。プーチン政権と敵対し、ウクライナ側に立って戦うロシア人組織です。度々、国境を越えてロシア・ベルゴロド州で攻撃を繰り返しているとみられています。

 ロシアで先月2回発生したモスクワなどへのドローン攻撃。CNNによると、アメリカ政府当局者はウクライナがロシア国内の協力者や工作員にドローンを提供している可能性があるとみています。このドローン攻撃や越境攻撃。CNNは、ロシア軍をロシア国内にとどめ、戦力を分散させる狙いがあるとしています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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