【解説】東海・関東甲信も「線状降水帯」発生恐れ あす朝にかけ大雨ピーク(2023年6月2日)

【解説】東海・関東甲信も「線状降水帯」発生恐れ あす朝にかけ大雨ピーク(2023年6月2日)

【解説】東海・関東甲信も「線状降水帯」発生恐れ あす朝にかけ大雨ピーク(2023年6月2日)

 現在の雨の状況を、気象予報士の今村涼子さんに聞きます。

 2日午後5時時点で、和歌山県の広川町、紀美野町、海南市、九度山町の4カ所に、「緊急安全確保」が発令されています。大雨の影響が、かなり深刻に出ています。

 そして今、「線状降水帯」が発生する位置が少しずつ移動してきているという状況です。

 まず、2日午後2時ごろの状況をみていきます。赤く囲ったところが、線状降水帯を示しています。この時間は、和歌山県内で発生していました。ですので、海南市辺りでは平年の一月分以上の雨が降り、川が氾濫しました。

 午後2時から時間を進めていきます。どんどん活発な雨雲が、北東方向に流れ込み、赤く囲ったところも東にずれてきています。広がりながら、東に移動しているという状況です。

 2日午後5時現在は、愛知から静岡にかけて線状降水帯が発生、一気に災害危険度が高まっています。いつ災害が発生しても、おかしくないという状況です。

 しかも今、予想よりも早まっているのが関東方面です。

 関東も、この線状降水帯につながるような活発な雨雲も流れ込んできていて、次々警報や土砂災害警戒情報などが出されてきている状況です。

 さらに危険度が高まっているのが、川です。「キキクル」で川の危険度を確認します。

 一級河川などのような大きな川でも、紫色の表示になっています。愛知県の境川水系などが、氾濫危険水位に達しているというレベル4に相当する情報が出ています。

 支流は、毛細血管のように細かいのですが、静岡県や長野県でも紫色、ピンクの表示になっています。こういう川がたくさんあります。いつ氾濫してもおかしくないような状況になっていくことが考えられます。

 特に今、静岡県内に線状降水帯がかかってきています。一気に川が氾濫しても、おかしくないような状況となっていると考えられます。

 これに合わせて、川だけでなく、土砂災害警戒情報も広範囲で出ています。

 この土砂災害警戒情報は、レベル3の大雨警報よりも、より危険度が高いレベル4相当の情報になります。

 警戒レベル4というのは、ハザードマップなどを見て、危険な地域にお住まいの方は、ためらわずに避難したほうが良いレベルです。周りを確認しながら、より安全な場所に移動して下さい。

■太平洋側大雨「線状降水帯」なぜ発生?

 なぜ今回、この線状降水帯が、特に太平洋側に集中して発生しているのかというと、台風2号が影響しています。

 台風2号は今、南の海上にあります。そこからの暖かく湿った風が、特にダイレクトに流れ込んでいるのが、梅雨前線の南側太平洋側です。

 さらに、ここに2日の風の状況も関係してきます。2日朝の状況をみてみましょう。
 
 湿った風を運ぶ南風が、一点に集束しているのが分かります。ライン状に風がぶつかり合っている場所ができています。風がぶつかり合うと、ここで上昇気流が強化されますので、積乱雲が次々と発達して、線状降水帯ができたということになりました。

 そして今、こういう状況が、どんどん東に進んできています。ですので、この後は、関東方面でも線状降水帯が発生するおそれがあります。

 この後、雨の予想です。まだ、ライン状に予想されてます。

 動きが遅いというのが特徴で、この後、夜遅くにかけても、近畿、東海、関東方面で、短時間で一気に降って、一気に川があふれるようなことも予想されます。

 安全な場所で過ごすということを、覚えておいて頂きたいと思います。

 また、雨のピークが過ぎても、川の水は遅れて増えます。雨のピークを過ぎても、しばらくの間、注意が必要です。

 特に大きい川ほど“タイムラグ”があります。雨がやんでも、しばらくの間は安全な場所で待機して下さい。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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