“まん延防止”関西3府県など延長へ 解除の沖縄“病床改善”のワケ(2022年2月16日)
20日に期限を迎える21道府県への「まん延防止等重点措置」について、政府は関西の3府県などを延長する方針です。一方で、解除する方向の沖縄県の医療現場ではある異変が起きていました。
“第6波”では、初めての緩和へ向かいます。
山口県・村岡嗣政知事:「『まん延防止措置重点措置』の解除を要請することと致します」
20日に期限を迎える21道府県への「まん延防止措置」。政府は、沖縄と新たに山口について解除する方向で調整に入りました。
16日、山口県では320人の感染が確認されています。まだ、不安の声は多く上がっています。
先週、専門家会議を開いた沖縄県。
座長の藤田教授によりますと、9人中8人が解除に賛成したそうです。
沖縄県専門家会議・藤田次郎座長:「沖縄県の経済を回す方にかじを切る。そういう時期ではないかと私自身は考える」
1月下旬、70%を超えた病床使用率は解除基準の50%を切りました。そこには高齢者のトリアージ対策がありました。
沖縄県専門家会議・藤田次郎座長:「老健施設などでクラスターが起こった際には指定医療機関、重点医療機関に搬送せず、(医師を派遣し)施設で治療を完結しようという方向になっている。これが『病床使用率』改善の一番大きな要因」
実際、医療現場も余裕が出てきていました。
北部地区医師会病院・田里大輔医師:「ベッドの利用率は半分くらい。病棟的な数としては少し余裕がある」
コロナ病床42床を持つ北部地区医師会病院。多い時には40床が埋まりましたが、現在は17床となっています。
やはり、保健所と高齢者施設との連携が功を奏していると話します。
北部地区医師会病院・田里大輔医師:「(高齢者)施設ではワクチンを打っていて、元気な高齢者は病院に搬送していない。保健所と施設で患者のトリアージをすれば病院の過剰な負担を防げるのでは」
さらに、人手も戻ってきています。
北部地区医師会病院・田里大輔医師:「濃厚接触者の待機期間が短くなったこともあって、マンパワー不足も解消されてきているので、1月に起きていた医療逼迫(ひっぱく)の状況は一つ一つの項目が改善されている」
まん延防止措置解除については、そもそも効果を感じていないと話します。
北部地区医師会病院・田里大輔医師:「まん延防止が出た後に現場で効果があったかというのはあまり感じていない。恐らく解除しなくても、これぐらいの数は一定数出る認識でいたほうがいいと思う」
峠を越えたようにも見える沖縄に比べ、関東は依然、危機的な状況が続いています。
基礎疾患のため、透析を受けていている患者です。ただ、コロナでは“軽症”として計上されています。
埼玉医科大学総合医療センター・岡秀昭教授:「重症度は軽症なんですが、いわゆる皆さんが思っている軽症、横になりながらテレビを見ているみたいな状況ではないです」
埼玉医科大では、重症者用のベッド6床中4床が埋まっています。
高齢者・様々な基礎疾患を持つ患者が多く、コロナ自体は軽症でも現場の負担は小さくありません。
埼玉医科大学総合医療センター・岡秀昭教授:「色んな持病が悪くなっているんですね。心臓が悪くなる、腎臓が悪くなる。そういった科の先生たちの負担も大きくなっています」
基礎疾患は多岐にわたり、第5波までに使われていた治療薬も効果は上がらず、死亡者も出ました。
埼玉医科大学総合医療センター・岡秀昭教授:「コロナの重症肺炎になる患者さんに対して、治療の方程式みたいな形が出来上がっていたんですね。ところが今回の患者は高齢者・基礎疾患がある、元々、体力がない人になる。ステロイド剤とかレムデシビルという薬を投与しても、肺炎がないんですよね。どちらかというと持病の増悪。悪くなって衰弱して亡くなっていく。まだまだ、死亡者は増えていく。そういう形になっていくのではないかと」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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