【報ステ】「決断の引き金は世論調査」公邸でひな壇撮影…長男・翔太郎秘書官を更迭(2023年5月29日)
岸田総理は29日夜、長男で総理秘書官を務める翔太郎氏の更迭を発表しました。
岸田総理:「6月1日付けで政務秘書官を岸田翔太朗から山本高義に交代する。交代の理由としては、公邸の公的なスペースにおける昨年の行動が、公的立場にある政務秘書官として不適切であり、けじめをつけるため交代させる」
きっかけは、先週発売の週刊文春。去年の年末に、岸田総理の親族が総理公邸で忘年会を開いていたと報じていました。総理公邸のひな壇で親族と記念撮影。そのセンターにいたのが翔太郎氏です。自身も父親と同じように総理大臣の座に就く未来を思い描いていたのでしょうか。
総理秘書官である息子が起こした不祥事に対し、批判の声が上がっていました。
立憲民主党・田名部匡代参院議員(26日の参院予算委):「厳しく対処すべきではないか。更迭すべきではないか」
岸田総理(26日の参院予算委):「危機管理の点から考えて、今後どうあるべきなのか。これはしっかりと考えなければならない。そういったことを勘案したうえで、厳重に注意をした」
この時点では、更迭という判断には至っていませんでした。
しかし、この週末、朝日新聞が行った世論調査で、翔太郎秘書官が公邸で親族と忘年会を開いたことについて、どの程度問題だと思うか聞いたところ、44%の人が『大いに問題だ』、32%が『ある程度問題だ』と答えていました。
翔太郎氏の問題は、今回が初めてではありません。1月には、総理の外遊中に公用車で観光したり、土産物を購入した疑惑が問題になっていました。
岸田総理:「当然、任命責任は私自身にあり、重く受け止めております。これはもう国民の皆さんの声に耳を澄ませ、先送りできない課題1つ1つに答えを出していくことにまい進することで、職責を果たしていきたいと考えております」
◆政治部・千々岩森生官邸キャップに聞きます。
(Q.この事実が明らかになったのは先週のこと。旧統一教会問題で、閣僚が相次いで辞任したときは、総理の判断が後手に回ったのではないかという見方がありました。今回も判断が遅かったといってもいいのではないでしょうか)
そうですね。今回、更迭の決断の引き金は、この週末に行われた報道各社の世論調査の結果だったようです。総理官邸としては、広島サミットもあったので内閣支持率が上がると思っていたら、変わらなかったり、むしろ下がった調査もあって、官邸側にとっては予想外で、危機感が広がりました。28日夜、総理周辺と話しましたが「支持率が上がらなかった原因は、翔太郎秘書官の問題だ」との分析でした。岸田総理は28日の段階で、すでに更迭を決断して、29日朝、周辺、関係者に伝えたようです。
(Q.今回の件で、岸田総理の解散戦略に影響を与えるでしょうか)
去年、閣僚4人が相次いで辞任して“ドミノ辞任”といわれました。このとき、更迭の判断が遅いと、岸田総理の判断力に疑問符がつきました。このトラウマもあって、今年2月、荒井秘書官の発言、あのときは素早く更迭しました。ただ、今回は、与党内からも「総理は、翔太郎氏だから。身うちだからかばっているのではないか」と批判が上がっています。秘書官の問題は、岸田総理の判断力、身内びいきではないかと飛び火して、支持率下落の要因になっている。つまり、“解散”という意味では明らかにマイナスです。一方で、岸田総理が解散を意識しているからこそ、リスクを最小限に抑えるためにも翔太郎さんを切ったという見方もあります。会期末まで1カ月を切っていますが、しびれる展開を迎えているということだと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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