“史上最大級エルニーニョ”に『正のダイポールモード現象』“極端な”雨と暑さに警戒(2023年5月23日)

“史上最大級エルニーニョ”に『正のダイポールモード現象』“極端な”雨と暑さに警戒(2023年5月23日)

“史上最大級エルニーニョ”に『正のダイポールモード現象』“極端な”雨と暑さに警戒(2023年5月23日)

関東では、22日の暑さから一変、季節外れの冷たい雨となり、日中の気温が15度以上低くなったところもありました。

街行く人:「めっちゃ寒い。(Q.今、大丈夫)これから上着を買いに行く」「(Q.ダウンは、どれぐらいぶりに出した)3週間ぶりくらい」「何日か前にヒートテックをしまったばかり。服装が難しい」

これから夏は、どうなるのか。3カ月予報の発表で、気になる話が飛び出しました。世界で異常気象を引き起こす恐れのある現象についてです。

気象庁異常気象情報センター・楳田貴郁所長:「エルニーニョ現象が発生する可能性が高いと予想。夏までに発生する可能性が高い」

その確率を約80%とする根拠は…。今、太平洋赤道域で海洋の貯熱量が上昇していて、史上最大級のエルニーニョとなった1997年から98年と、ほぼ同じレベルに達しているといいます。

その当時、学会では“スーパーエルニーニョ”と呼ばれるほど異例の事態に。東南アジアでは、歴史的な干ばつで森林火災が相次ぎました。ところが、北米は豪雨被害に見舞われるなど、世界中が異常気象に悩まされました。

先週、国連の世界気象機関からは、エルニーニョ現象と温暖化の悪化が重なり「地球の気温は、未知の領域に入る」との警告も…。

世界気象機関・ターラス事務局長:「5年以内に最も暑い年がくるのは、ほぼ確実です。私たちは温暖化を抑えきれず、間違った方向に進み続けています」

今月に入って、ベトナム北部では44.1度、ラオス北部でも43.5度と、それぞれ国内の最高気温を更新しています。

エルニーニョ現象は日本に、どんな影響をもたらすのでしょうか。普段は、東風が海面付近の暖かい海水を太平洋の西側に寄せています。エルニーニョは、この風が弱まり、暖かい海水が南米付近にまで広がる現象のこと。積乱雲の発生場所が東にずれて、大気の流れが変わり、日本の夏は、気温が低くなる傾向にあります。ところが…。

楳田貴郁所長:「エルニーニョ現象が発生すると、日本の夏の気温は低くなる傾向だが、今年はそうでない可能性がある」

一体、どういうことなのか。耳慣れない現象が関係するようです。その名も『正のダイポールモード現象』。その特徴は、インド洋の海水温が南東部で低く、西部で高くなることです。海水温の高い西部は、積乱雲が活発化することで、大陸の高気圧が日本付近にまで張り出し、その結果、気温を押し上げることに。

実際、3カ月予報でも…。

楳田貴郁所長:「東日本以西は高温傾向の予報が特徴。正のダイポールモード現象は、日本付近に偏西風を北にあげるとか、高温にするというのがある。これも踏まえて考えた。そもそも温暖化がベースにある。こういうところで、高温側の予報になった」

正のダイポールモードとエルニーニョの同時発生は、8年前にも起きました。都心では、8日連続の猛暑日となり、当時の最長記録を更新するなど、厳しい暑さとなりました。

さらに、やっかいなのは雨の量が多くなる恐れもあること。8年前は、台風や湿った空気が列島付近に流れ込んで記録的な大雨となり、鬼怒川が決壊。茨城県常総市の3分の1が浸水しました。

様々な現象が複雑に絡み合って、かつての気象とは大きな変化が生じています。

楳田貴郁所長:「1980年の大雨頻度と比べて、最近10年の大雨頻度は2倍くらい。大雨の頻度が増えているのは、明瞭な特徴として考えておくべき」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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