【報ステ】「一歩先の提案を」百貨店復調のカギは『外商』ヒカリエに専用サロンも(2023年5月23日)

【報ステ】「一歩先の提案を」百貨店復調のカギは『外商』ヒカリエに専用サロンも(2023年5月23日)

【報ステ】「一歩先の提案を」百貨店復調のカギは『外商』ヒカリエに専用サロンも(2023年5月23日)

23日に発表された先月の全国百貨店売上高は、前年比で8.6%増、14カ月連続のプラスとなりました。新型コロナでどん底ともいえる状態から復調してきた、その背景には“お得意様”を直接、相手にする『外商』の存在がありました。

外商とは、客のもとに出向き、きめ細かなサービスで商品を販売すること。コロナ前から業績が低迷していた百貨店業界ですが、この外商で復活しようとしています。

日本百貨店協会・安田洋子専務理事:「外商は、存在感を発揮してきていたというのは事実です。よりお客様にとっても便利な、外商の新しいやり方を目指そうとしているのは確か」

松屋銀座で先週、外商の目利きが集めた、バンクシーなど人気の作品を一堂に集めた美術品の展示会が行われました。

松屋銀座外商事業部・田中和介さん:「アートフェスタを開催いたします。今回500点ほど商品をお出しさせていただきますので」

数十人の顧客一人ひとりに電話して、まずは来てもらうところからが、外商の仕事です。そしてイベント当日。

外商の顧客:「話やすいし、信頼できる方。先を先を読んでくれるから。ファンです」

今回のイベントでは100点ほどの作品が売れ、去年の3倍ほどの売り上げがありました。長い歴史のある外商ですが、今見直されている理由とは。

松屋銀座外商事業部・田中和介さん:「僕らは全館見渡せるので、お客さまとの付き合いも長いので、趣味も趣向も分かっている。一歩先をいく提案ができないと、お客さま本当にご満足されない」

一方で、閉店する百貨店もあります。今年1月には、渋谷の東急百貨店本店が55年の歴史に幕を閉じました。実は、そこで働いていた外商の人たちが、新たな場所で活躍しています。渋谷駅前にある複合商業施設『渋谷ヒカリエ』。東急はそのワンフロアを、外商で若い層も含めた新たなお客さんを開拓するため、拠点にしようとしています。

東急百貨店お得意様営業部渋谷外商・小山暁統括:「ここは外商のお客様が利用する商談やくつろげるスペースになっています。(Q.外商顧客対象のサロンを作った理由は)東急本店は、年齢の高い方が多かったが、今こちらは若い方が非常に多い。新たな可能性を非常に感じています。若い次世代の新たなお客様に、外商の方に入っていただく」

さらに、閉店した本店のすぐ近くには“ワイン専門店”が復活しました。ここのスタッフも本店で働いていた人たちです。3月に、オープンしたばかりですが、外商で鍛えた品ぞろえと接客が人気となっています。

購入客(70代):「そこ(東急本店)で売っていたワインを買いに来た。色んな店いくつかあたったけど、売ってない。(Q.百貨店には、外商顧客を対象にしたソムリエがいるイメージだが)東急本店は外商の扱いやってますからね。東急本店で、直営でやってる店がいくつか入ってたから」

東急百貨店『THEWINE』ソムリエ・佐藤美也子さん:「元々、外商のお客様を含め、常連のお客様が多かったので、その時だけの接客ではなく、一人ひとりのニーズに合わせた提案ですとか、一瞬の接客というよりも、この後を含めた案内をやっている。出会いを大事にして、刺激をもらい、良い関係を築いていけるように」

百貨店が長いこと培ってきた外商のノウハウが業界を変えていきそうです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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