留置場自殺問題で怠慢と虚偽『ロッカー点検1か月なし』『発見までの1時間巡回せず』(2022年12月14日)

留置場自殺問題で怠慢と虚偽『ロッカー点検1か月なし』『発見までの1時間巡回せず』(2022年12月14日)

留置場自殺問題で怠慢と虚偽『ロッカー点検1か月なし』『発見までの1時間巡回せず』(2022年12月14日)

今年9月に殺人事件の容疑者が大阪府警福島署の留置場で自殺した問題について、大阪府警が12月14日に調査結果を公表しました。

 今年9月、大阪府警福島署の留置場で自殺した高井凜容疑者(当時28)。去年7月に大阪府高槻市の民家で、資産家の高井直子さん(当時54)を浴槽で溺死させたとして、殺人などの疑いで逮捕されていました。

 高井容疑者は、事件の半年前に直子さんの養子になり、遺産など約1億円を相続。さらに、直子さんが加入していた生命保険、総額約1億5000万円の受取人になっていたことから、高井容疑者が多額の保険金をだましとる目的で犯行に及んだとみられていました。

 逮捕前、MSBの取材に対しては、偽名を名乗り、その場から立ち去りました。

 【逮捕前の今年6月の取材】
     (記者)「失礼ですが、お名前は?」
 (高井凜容疑者)「くろきです。メディアって聞いて、そいつの話ちゃうかなと思ったんですけど」

 逮捕後の警察の調べに黙秘していたという高井容疑者。9月1日の朝、福島警察署の留置場で首をつって自殺しました。

 自殺の3日前、高井容疑者の独房から福島署の警部補が回収した家族宛ての便箋には、次のような内容が書かれていました。

 【便箋に書かれていた内容】
 『先に逝く。もう会えない』

 一体なぜ、留置場で自殺という結果を招いてしまったのか。大阪府警は12月14日、調査結果を公表しました。明らかになったのは警察の怠慢とうそでした。

 自殺をほのめかしていた便箋については、福島署から府警本部の留置管理課に対して「自殺をほのめかす内容が含まれていたが、本部に全てを漏れなく説明しておらず、便箋の写しも送付していなかった」などとして、不適切な対応だったとしています。

 また、福島署の署長が高井容疑者への巡回の回数を1時間に「4回」から「5回」に増やすよう指示したにもかかわらず、実際には指示通り行われませんでした。さらに福島署が虚偽内容を記載した報告書を作っていたことも明らかになりました。

 高井容疑者は午前7時の起床確認のタイミングで首をつっているのを発見されました。これについて大阪府警は当初、自殺当日の午前6時~午前7時までに7回、留置場の巡回・巡視をしていたと説明していましたが、実際には1回も行われなかったということです。また、最後の生存確認はこれまで午前6時44分としていましたが、実際には高井容疑者がお茶を飲んだという午前6時36分だったことがわかりました。

 また、この前日の夜には本来50回の巡回をすべきところ、高井容疑者の部屋を15回しか巡回しなかったということです。しかし「ルール通りに巡回した」とするうその報告書が作られていました。

 また、留置場にある私物を入れるロッカーからは、高井容疑者が自殺に使ったとされる破れたTシャツが見つかっています。これまでの説明では、自殺の6日前にロッカーの点検が行われたことになっていましたが、これもうその報告で、実際は1か月以上も点検が行われていませんでした。

 大阪府警はこの件に関して、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで、福島署の署員3人を12月14日に書類送検しています。

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