【G7広島に電撃出席】対ロ反撃で“首脳会談”ゼレンスキー氏の思惑◆日曜スクープ◆(2023年5月21日)

【G7広島に電撃出席】対ロ反撃で“首脳会談”ゼレンスキー氏の思惑◆日曜スクープ◆(2023年5月21日)

【G7広島に電撃出席】対ロ反撃で“首脳会談”ゼレンスキー氏の思惑◆日曜スクープ◆(2023年5月21日)

■G7首脳声明“ロシアに対抗”ウクライナに安全保障上の支援

ゼレンスキー大統領の来日は2019年10月以来で、ロシアによるウクライナ侵攻後は初めてとなる。ゼレンスキー大統領は21日、午前中にG7(先進7カ国首脳)の各セッションに参加、午後からは、韓国の尹大統領、バイデン米大統領、また、岸田総理と首脳会談を行った。同日17時ごろ、ゼレンスキー大統領は岸田総理とともに、広島平和記念公園内にある原爆資料館に訪問し、慰霊碑に献花した。19時過ぎから、ゼレンスキー大統領は広島市内で記者会見に臨み、「ウクライナの防衛能力の10倍もの軍事力を持っている国が勝利することはありえない。もう少ししたら、ウクライナが勝利する」と語った。ゼレンスキー大統領は20日午後、広島に到着した直後から、インドのモディ首相、マクロン仏大統領、また、イタリアのメローニ首相と会談し、精力的な外交活動を展開した。G7は20日、ロシアによる不法な侵略戦争に直面し、反転攻勢に向けて動向が注目されるウクライナに対し、必要とされる安全保障上の支援を行うことに合意し、首脳声明に盛り込んだ。

■米国「F16」ウクライナに“供与容認”なぜ方針転換

G7広島サミットに同行しているサリバン米大統領補佐官は20日、ウクライナへの米国製戦闘機「F16」の供与を、米国として容認する考えを示した。米国の方針転換により、ウクライナ情勢が新たな局面を迎えた。サリバン米大統領補佐官は、「反転攻勢よりもロシアのさらなる侵略を抑止するための将来の戦力のために必要なもの」という判断だったと強調し、さらに、「米国がウクライナに提供する能力はロシア領土への攻撃を可能にするものではない」と言及した。米国製戦闘機「F16」を巡っては、ゼレンスキー大統領はG7開催を前に、13日から15日までイタリア、ドイツ、フランス、イギリスを相次いで訪問し、F16導入に向けた「戦闘機連合」の結成を各国に呼び掛けていた。16日、スナク英首相はオランダのルッテ首相と会談し、ウクライナの戦闘機調達などを支援する「国際的な連合」を結成することで合意した。「戦闘機連合」は、オランダやデンマークなどのF16を保有している国が、ウクライナに機体を供与し、イギリスやフランスなどの保有していない国が、パイロットの訓練などを担う仕組みとなる。バイデン米大統領は19日、G7広島サミットで各国首脳に対して、F16の訓練実施を承認したことを伝え、供与容認の方針を明確にしていた。

■ゼレンスキー氏“印首相と会談”グローバル・サウス巡る思惑

ゼレンスキー大統領のG7広島サミットの出席は、本人の希望で実現した。オンラインではなく、対面形式での参加を求めたのは、南半球を中心とする新興・途上国「グローバル・サウス」への協力を訴える目的もあるとされている。G7広島サミットに参加したのは、インド、ブラジル、インドネシアを含む招待国8か国となる。ゼレンスキー大統領は、ロシアの原油を買い支えるインドのモディ首相と会談した。

■ロシア核脅威を排除「広島ビジョン」核軍縮の機運醸成

戦争被爆地・広島でのG7で19日、核軍縮に焦点をあてた独立声明「広島ビジョン」が発表された。岸田総理は「核兵器のない世界」の実現を主張し、核軍縮もG7の大きなテーマに掲げていた。声明の中で、「ロシアの核の脅し」に言及し、「ロシアのウクライナ侵略の文脈におけるロシアによる核兵器の使用の威嚇、ましてやロシアによる核兵器のいかなる使用も許されないとの立場を改めて表明する」と決意を示した。核軍縮の推進に関しては「核兵器のない世界は、核不拡散なくして達成できない」と明言、「我々が望む世界を実現するためには、その道がいかに狭いものであろうとも、厳しい現実から理想へと我々を導く世界的な取り組みが必要である」としている。ロシアによるウクライナ侵攻により国際秩序が揺らぐ中で、ゼレンスキー大統領の訪日で、「核兵器のない世界」の実現に向けた核軍縮への機運が高まるのか、相次ぐ首脳会談を通じて外交活動を展開するゼレンスキー氏の思惑とは、識者と考察する。

★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、小泉悠(東大先端研専任講師)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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