“高齢化率”日本一の村で「奇跡」・・・名物パンを意外な人物が復活(2022年2月14日)

“高齢化率”日本一の村で「奇跡」・・・名物パンを意外な人物が復活(2022年2月14日)

“高齢化率”日本一の村で「奇跡」・・・名物パンを意外な人物が復活(2022年2月14日)

 作り手を失った村の名物を救ったのは、意外な人物でした。

 高齢化率日本一の群馬県南牧村。その道の駅で「名物パン」が、週3日だけ買えます。

 70代女性:「やっぱり一度、味わっておかないと。もう先が短いので」

 「とらのこぱん」1個380円。トラ模様のパンは、外はカリッ、中はモッチリ。きび砂糖の、ほのかな甘みが広がります。

 40代男性:「ここまで再現するのは、大変だったと思う」

 このパンは、かつて村で作られていた名物を再現しています。

 去年7月に亡くなったパン職人・中沢虎雄さん。石窯で焼き上げたパンは「とらおのパン」として愛されました。

 虎雄さんの妻・中沢京子さん(84):「『喜んでもらえるのが本当にエネルギーだ』と。感謝感謝でやっていました」

 虎雄さん亡き後、パン作りに使っていた石窯は、ある若者に貸し出されました。

 去年、この村に魅せられ東京から移住してきた鈴木雄祐さん(24)。

 とらのこぱん店長・鈴木雄祐さん:「(とらおのパンは)自分も食べて好きだったモノなので、一度は、そういうパンを焼いてみたいなと思って」

 鈴木さんにパン作りを勧めたのは、先に移住していた大学の先輩でした。

 大学の先輩・古川拓さん(27):「本当に多才で、色んな事ができる。料理も上手で」

 とはいえ、名物パンの再現には大きなハードルが。

 とらのこぱん店長・鈴木雄祐さん:「まず、レシピがない。自分にパン作りの経験がない」

 鈴木さんを奮い立たせたのは、住民のおかげでした。奇跡的に残っていた「とらおのパン」。袋に貼られたラベルから原材料が分かったのです。

 手探りでパン作りにいそしむ鈴木さんに、村の人たちは協力を惜しみませんでした。

 とらのこぱん店長・鈴木雄祐さん:「『虎雄さんは発酵した後に、生地をつぶしていたみたい』と通りすがりの人が教えて下さったり」

 何よりもうれしい言葉をかけてくれたのが、虎雄さんの妻・京子さんでした。

 とらのこぱん店長・鈴木雄祐さん:「『思うようにやったらいい』と。かなり気が楽になった」

 虎雄さんの妻・中沢京子さん:「あまり、うるさく言われたら大変だよね」

 鈴木さんは、みるみるパン作りが上達。虎雄さんの名物パンは、若い世代へと受け継がれたのです。

 とらのこぱん店長・鈴木雄祐さん:「こうやって喜んで頂けて、やって良かったなと。感無量です」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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