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各地で相次ぐ クマ目撃情報…10年以上“人的被害なし” 軽井沢町の対策「学習放獣」(2023年5月18日)
今月に入り、北海道各地でクマの目撃情報が相次いでいて、不安が広がっている。
そんななか、クマ生息地でありながら、人の生活エリアでの人的被害が10年以上ないという長野県軽井沢町の“ある取り組み”を取材した。
■北海道各地でクマ目撃…住民は不安
北海道幌加内町。14日、朱鞠内湖で釣りをしていた西川俊宏さん(54)が行方不明となった。付近の捜索で、現場近くから人の頭部が見つかり、近くでは胴長靴をくわえたクマが目撃されていた。
さらに17日、新たにクマに襲われたとみられる遺体の一部が見つかり、警察は身元の確認を進めている。
北海道では、今月に入って各地でクマが目撃されている。
現場を車で通り掛かった人が撮影した映像。13日の深夜1時ごろ、住宅街の道路をクマが横切る姿が映っている。近くの小中学校では保護者が車で送り迎えをするなど、住民の不安は続いている。
JR東室蘭駅に近い住宅街でも、クマの目撃情報が相次いでいる。その数は12日から17日までの6日間で7件に上っている。
■増加の理由…クマの分布「広がっている」
なぜ北海道で、クマの出没が増加しているのか?
北海道大学大学院、獣医学研究院・坪田敏男教授は、次のように話す。
坪田教授:「一番大きい要因は、クマの分布が広がっているということ。どうして広がるかというと、やはり数が増えているから」
北海道では1966年からヒグマの個体数を減らす目的で「春グマ駆除制度」を開始。しかし、個体数の衰退が懸念されたことから、この制度は1990年に廃止された。
坪田教授:「1990年の『春グマ駆除制度』をやめたことは、僕は良かったと思います。ただそれに伴って、北海道のヒグマをどう管理していくかですね。その管理のシステムをきちんと北海道に導入しなかったというのは、一番大きな問題」
■目撃情報増加も…なぜ人的被害は減少?
さらに、クマの目撃情報は、青森県や山口県でもあった。
一方で、ツキノワグマが数多く生息する地域として知られる長野県軽井沢町では、クマの目撃情報が年々増え、生ごみをあさったり、トウモロコシなど農作物を食べたりするなどの被害はあるものの、人的被害は大きく減少しているのだ。
野生のクマの保護管理を行っているNPO法人「ピッキオ」の田中純平氏は、目撃情報が増える理由についてこう語る。
田中氏:「私たちの目の前に出てきているクマというのは、人に見られてもあまり気にしてないような、世代のクマ。新しい世代だって言われて、新世代と言われていますけど。どんどん人の怖さを知らないような状態で、お母さんから学び、また、その次のお母さんが、その子がお母さんになりまた教え、世代を繰り返してくるうちに、だんだんのんびりしている」
しかし、なぜ人的被害は減っているのか?実は、こうした新世代のクマに対して、人とクマの命を守るために行っているのが、犬だ。
犬に吠えられ、木に上り逃げるクマ。人とクマが共存するためあえてクマに対し、恐怖心を与えるためだという。
田中氏:「クマも分かりますし、それを学習する力も持っています」
■学習放獣の意義「生態系に影響が出てくる」
クマに向かって吠えていたのは「カレリアン・ベアドッグ」という犬種で、元々クマを狩る時に使われた猟犬だ。
NPO法人「ピッキオ」ではベアドッグを訓練し、山中でクマを見つけた際、直接的な攻撃を加えず、吠えて威嚇し、追い払うようにしつけられているという。現在、4匹のベアドッグが活躍しているそうだ。
ベアドッグを使って行われるのが「学習放獣」という方法。山の中に仕掛けられた罠にクマがかかると麻酔銃で眠らせ、個体識別用のラベルや電波発信機を装着する。
その後、クマを山に返す際、背後からベアドッグに吠えさせ、「この場所は怖い場所だ」と認識をさせるという。これが「学習放獣」だ。
また、軽井沢町ではクマがごみ集積所を荒らす被害が相次いだことから、ごみ箱に改良を加えたという。ごみ箱に爪が引っかかると開けられてしまうため、ツルツルした鉄製に変えたという。
また、ごみ箱のふたは、手前から上に持ち上げて開くタイプだったが、ふたを横向きに持ち上げる形に改良したことで、クマが開けることができなくなったという。
こうした取り組みによって軽井沢町では、およそ130カ所あるゴミ集積所が、クマに荒らされる被害が2000年には年間76件あったが、現在ではほとんど被害はないという。
また、2010年以降、人が生活するエリアで、クマによる人的被害は出ていないそうだ。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年5月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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