LGBTを巡って自民党がまとめた「理解増進法案」 先進国の中でワースト2位と遅れる日本の法整備の現状とは?【サンデーモーニング】|TBS NEWS DIG

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LGBTを巡って自民党がまとめた「理解増進法案」 先進国の中でワースト2位と遅れる日本の法整備の現状とは?【サンデーモーニング】|TBS NEWS DIG

G7サミットを目前に自民党が国会提出を目指す「LGBT理解増進法案」がようやくまとまりました。「同性婚」だけでなく「差別禁止」にすら踏み込めないのはなぜ?世界の先進国35か国の調査でワースト2位とされた日本の、LGBTに関する法整備が進まない現状とは?手作り解説でお伝えします。

■LGBTとは…

『伝統的な家族観』を重んじるのか、それとも『多様性を尊重する社会』に道を開くのか。ふたつの見方が鋭く対立している、このLGBTをめぐる議論。
そもそもLGBTとは、Lesbian(レズビアン=女性同性愛者)、Gay(ゲイ=男性同性愛者)、Bisexual(バイセクシャル=両性愛者)、Transgender(トランスジェンダー=心と体の性が異なる人)、の頭文字をつなげた略語で、いわゆる性的マイノリティの総称です。近年では、Questioning(クエスチョニング=自分の性がわからない・決めていない人)を加えたLGBTQとも言われます。ちなみに、レインボーカラーは多様性をあらわし、LGBTのシンボルとしてよく用いられます。
民間の調査では、日本でLGBTと自認している人の割合は8.9%(20~59歳)。あくまで推定ですが、人口換算すると約540万人いる計算になり、決して少ない数ではありません。

■日本は「ワースト2位」

今回、与党・自民党内で、ようやく了承されたLGBT理解増進法案。
一方で、世界の流れを見てみると…LGBTに関する法律の整備が、どこまで進んでいるか、35の先進国をランキングにしたものをみると日本は35か国中、なんとワースト2位の34位でした。日本より下はトルコしかありません。

なぜここまで、日本はLGBTをめぐる取り組みが遅れているのでしょうか。例えば「同性婚」については2001年、世界で初めてオランダが認める法律を作ったあと、ベルギー、スペイン、カナダ、など各国が続き、2013年以降はこの動きがさらに加速。保守的な価値観が根強く残るアメリカでも2015年、連邦最高裁が「認めないことは法の下の平等に反する」と判断し、2022年12月に法制化されました。同性婚やパートナーシップ制度を法律で認める国は今では43の国と地域に上ります。

また、各国はこれに先立つ形で、LGBTに関する差別を法律で禁止することも進めていて、G7の中では、日本だけが同性婚やそれに準ずる制度を認めない上、差別を禁止する法律もないのです。

この20年、日本が「変わらなかった」のが実態と言えます。

■ようやく了承され「LGBT理解増進法案」

ところで今回、自民党内で了承されたのは、あくまで「LGBT理解増進法案」で成立したとしても、「同性婚」も「差別禁止」も認められません。LGBTをめぐっては、就職や不動産契約などをめぐる差別をいかに防ぐかが焦点のひとつですが、野党側からは禁止を法制化すべきとの声が上がる一方、自民党内からは「『差別禁止』の法律にすれば、それを元に訴訟が乱発され、社会の分断が深まる」との主張が根強く、「理解増進法案」にとどまった形です。

一方、JNNの世論調査では同性婚を法的に認めることについて63%の人が賛成と答え、年代別に見ると30歳未満の女性では9割以上が賛成でした。5月19日に始まる広島サミットを前に、世界各国からも取り組みの強化を求められている、この問題。岸田政権はどのような対応をみせるのでしょうか。

(「サンデーモーニング」2023年5月14日放送より)

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