“物価高春闘”スタート 「2年連続6%賃上げ」AGCにみる、賃上げに必要な成長戦略|TBS NEWS DIG

“物価高春闘”スタート 「2年連続6%賃上げ」AGCにみる、賃上げに必要な成長戦略|TBS NEWS DIG

“物価高春闘”スタート 「2年連続6%賃上げ」AGCにみる、賃上げに必要な成長戦略|TBS NEWS DIG

今年の春闘がスタートしました。物価高に賃上げとなるかが注目されますが、2年連続6%の賃上げを決めた企業は物価高だけでは賃上げは続かないと話しています。

毎年春に行われる賃上げ交渉=春闘。けさ、スタートを切りました。

連合 芳野友子 会長
「物価高に多くの国民が苦しい思いをしています」 

焦点は、物価高を超える賃上げ。連合は5%程度を要求しています。

サントリーHD 新浪剛史 社長
「5%を超えて6%」

日本生命 筒井義信 会長
「明確になっているのは、率にして7%」

大企業は相次いでそれを超える賃上げを表明していますが、中小企業からは…

小倉メリヤス製造所 小倉大典 社長
「賃上げしたいです。賃上げしたいんですけど、上げたいけど上げられないっていう状況です」 

子ども服などの縫製を手がける会社。生地やボタンなどの材料費は5000万円ほど上昇し、利益を圧迫。価格転嫁もしきれていません。

小倉メリヤス製造所 小倉大典 社長
「本当に1社だけの努力では、なかなか変えられないと思います。サプライチェーン全体で変えていかないと」 

ある調査では「賃上げの予定はない」と答えた中小企業は7割を超え、民間の予測でも賃上げ率は平均2.85%と、物価高には追いつかないと見られています。

こうした中で、2年連続で大幅な賃上げに踏み切る企業が…“素材の会社”AGCです。

AGC 平井良典 社長
「昨年、従業員に対して組合員平均で6%の賃上げを行いましたが、(昨年と)同レベルではやりたい」

2年連続での6%程度の賃上げ。可能にしたのは、大胆な事業構造の転換です。

「先ほど製造した板ガラスに金属膜を塗る」

AGCは、もともとの社名は旭硝子。100年以上ガラス一筋でした。

一時は利益の8割をテレビ向けのガラスに頼っていましたが、およそ10年前に液晶テレビの価格破壊がおき、利益は激減。“ガラス一本足打法”から総合素材メーカーに転身をはかったのです。

それに伴い、社員にも変化が。

入社23年目の今村さん。元はガラスの営業マンでしたが、社内公募で燃料電池の開発事業に異動。いわば“社内転職”でした。

AGCファインケミカルズ事業本部 今村育司さん
「全く違う会社に来たような感じで、非常に最初は戸惑いました」 

半導体関連やワクチン開発など、ガラス以外の事業が育ち、右肩上がりの成長が見えてきた2017年に社名をAGCに変更。去年、30年ぶりの大幅賃上げができるようになりました。

AGC 平井良典 社長
「成長するということを抜きにして、賃上げはないわけですね。新しい付加価値を生み出すことをやらない限りは、賃上げもついてこないと」 

今村さんも…

AGCファインケミカルズ事業本部 今村育司さん
「今までの仕事を継続してやるだけではなくて、新しい分野にも取り込んでいく。人への投資ということで、リターンを返さないといけないという思いになる」

30年上がらなかった日本の賃金。上昇のカギは、物価高を契機に成長戦略が描けるかどうかです。

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