「相談相手がいれば」相次ぐ『闇バイト』なぜ?罪を犯す“若者”一線を越えた人に聞く(2023年5月12日)

「相談相手がいれば」相次ぐ『闇バイト』なぜ?罪を犯す“若者”一線を越えた人に聞く(2023年5月12日)

「相談相手がいれば」相次ぐ『闇バイト』なぜ?罪を犯す“若者”一線を越えた人に聞く(2023年5月12日)

今週、東京・銀座の高級腕時計専門店で起きた強盗事件。白昼堂々と犯行に及ぶその姿以上に、逮捕された4人全員が10代だったことに衝撃が走りました。報道ステーションでは、かつて10代で強盗を犯した男性を取材。なぜ、若者たちは簡単に犯罪に手を染めるのでしょうか。

A氏は17歳の時、SNSを通じて知り合った仲間と、高級ブランド店に強盗に入ったことがあります。

A氏:「むちゃくちゃ足も震えるし、手も震えるし、冷や汗とかやばかったですけど。目出し帽かぶって、店の中に入っているし、俺だけ外出たらダサいな。もうやるしかない」「(Q.今振り返ってどうですか)今の自分から比べると、過去はやばいなと。やったらアカンことをたくさんやったなと。中学生から高校生、現実でもネットでもイキりたい年頃があるじゃないですか。そんな感じで『やってやるよ』『俺だったらいけるから』」

各地で相次ぐ強盗事件。実行役の多くは10代後半から20代です。普通の若者が、金欲しさに闇バイトに手を出すケースが後を絶ちません。A氏が強盗に入ったのも、短絡的な理由でした。

A氏:「お金が欲しかったです。買いたかったんで物を。何でも買える。何でもできる。自慢できる。ブランドもの買って着飾りたかった。簡単にいうと、ゲームの課金したり、色々なことして遊びたいので。働いたところでキツキツな生活やなって。食いたいものは食えないし、買いたいものも買えない。我慢するのが苦手なので、やろうと」

SNSを通じて広がる闇バイトは今や若者にとって、身近なものになっています。

17歳高校生:「5~7万円と言っていた、1回やるだけで。『楽して稼ぎたいヤツいるか。紹介してくれ』と」
18歳:「叩き(強盗)とか運び。何回も先輩に誘われる」
17歳高校生:「学校内で闇バイトしている子がいて。気付いたら悪いモノ運んでたらしく、退学に」

少年時代に特殊詐欺に関わって逮捕された一方、強盗の誘いを断ったB氏を取材しました。

B氏:「(Q.強盗の仕事があるのは当時から認識)していました」

友達に誘われて闇バイトを始めたB氏は、都内の雑居ビルの一室で“かけ子”をやっていました。戸籍謄本や免許証をとられていて、抜けることができなかったといいます。ただ…。

B氏:「『逃げたら家族に被害がある』というのはもちろんあったが、途中からは『お金を稼げる』ので抜けられなかった」

B氏は当時、豊洲にある家賃30万円のタワーマンションに住み、月に500万円ほどを稼いでいました。さらに稼げる仕事として、強盗を持ちかけられることもありましたが、手を出さなかったといいます。

B氏:「(Q.強盗をやらなかった理由は)リスクですかね。捕まるリスクは非常に高い。捕まった時の刑罰の重さが全然違うから。(Q.懲役1~2年の罪ならやっても良いという考え)今はないですけど、当時はあったと思います」

B氏は少年刑務所に服役した後、自らが関わった特殊詐欺の被害者への賠償を続けています。

一方、17歳の時に強盗に手を出したA氏。今は建築関係の仕事をしています。過去の過ちを後悔する日々です。

A氏:「(Q.今は後悔している)前科が残るので就職にも困るし。よく考えたら、こんなことしなければ良かったと思っている。その時に相談する人がいなかった。親にも相談できないし、全部僕のことを否定してくるので。友達に言っても聞き流されるし。友達もいなかったので。(相談相手が)いたら多分、ひき戻っていたと思う。何もやらずに」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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