欧州で深刻干ばつ 豪雨で浸水 エルニーニョ「夏にも発生か」(2023年5月12日)

欧州で深刻干ばつ 豪雨で浸水 エルニーニョ「夏にも発生か」(2023年5月12日)

欧州で深刻干ばつ 豪雨で浸水 エルニーニョ「夏にも発生か」(2023年5月12日)

 世界各地で頻発している洪水や干ばつなどの気象災害。気象庁はこの夏、異常な天候を引き起こす要因とされるエルニーニョ現象が発生する可能性が高いと発表しました。

■エルニーニョ「夏にも発生か」

 干上がった貯水池にむき出しになった橋脚。ひび割れた地面があらわになっています。周辺の町の水がめであるはずの貯水池。通常時の25%に満たない場所も…。

 一方、イタリアでは発達した低気圧によって大雨に見舞われました。

 南米ボリビアでは季節外れの雪とひょうが降り、記録的な豪雨も観測。

 ボリビア・ラバス市、危機管理担当者:「わずか一日で5月に降る1カ月の雨量となりました」

 さらに中東、砂漠の国といわれるヨルダン。雨がほとんど降らない地域なため道路や町は瞬く間に冠水。

 しかし、スペインは3月からほとんど雨が降らず、ほぼ全土で干ばつの被害が及んでいます。農業用水だけでなく、飲み水も不足し始め、「水泥棒」まで現れはじめました。司祭が雨ごいの儀式を行うなど、まさに神頼みの状態に…。

 地元メディアによりますと、スペインに雨が降らない理由は偏西風が蛇行し、アフリカからの熱波が上空に滞留しているためといいます。偏西風の蛇行の原因の一つに海水温が影響しているとも言われています。

■90年代 世界各地で異常気象

 WMO世界気象機関・気候予測担当者:「エルニーニョ現象に入る可能性は80%にまで増加する。当然のことながら、これにより世界中の天気と気候パターンが変化することになる。

 「エルニーニョ現象」は世界中で異常気象を引き起こす要因といわれています。エルニーニョ現象とは通常の東風が弱まり、西部の温かい海水が東に広がってペルー沖の海面水温が高くなる現象。

 12日、気象庁も「エルニーニョ現象」が発生する可能性が高まっていると発表。

 気象庁異常気象情報センター・楳田貴郁所長:「夏までに発生する確率は80%くらい。エルニーニョ現象が発生している期間は、さらに気温が上積みする効果があると思う」

 現在もスペインをはじめヨーロッパ各地で干ばつの被害に見舞われているなか、さらに地球全体の気温が上昇する可能性も…。

 気象庁異常気象情報センター・楳田貴郁所長:「1997、98年のエルニーニョ現象は非常に大規模で、各地で異常気象が多発」

 1997年は巨大な竜巻がテキサスを襲うなど97年から98年にかけ、世界各地で異常ともいえる気象現象を観測。エルニーニョ現象による気温の上昇は予期せぬ異常気象を引き起こす可能性も。

 日本でも1998年8月、台風の影響で栃木県や福島県は記録的な大雨となり、各地で洪水が発生。広範囲で浸水の被害を及ぼしました。エルニーニョ現象が起きると積乱雲が発生する海域が平常時より東に移ります。それによって今後、日本にも影響が…。

 気象庁異常気象情報センター・楳田貴郁所長:「太平洋赤道域の西部の積乱雲の活動が活発なことにより、そこから湿った空気が日本付近に流れ込む可能性もあり、雨の量が多くなる可能性がある」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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