39℃の発熱も7病院に搬送断られた88歳女性(2022年2月13日)

39℃の発熱も7病院に搬送断られた88歳女性(2022年2月13日)

39℃の発熱も7病院に搬送断られた88歳女性(2022年2月13日)

オミクロン株は軽症が多いと言われていますが、死者数は過去最多を更新、中でも9割が70歳以上の高齢者です。番組の取材で、亡くなった方の多くが3回目のワクチン接種を終えていないという実態が見えてきました。

▽冬の夜空彩る“打ち上げ花火” 「伝統の技」コロナ禍でも継承へ
信州の冬の夜空を彩るのは、長野県の伝統工芸「手作り打ち上げ花火」。創業明治7年、松本市の花火会社が打ち上げました。
(華松煙火 6代目 上條僚士 専務)
「コロナで消費するところが無くて(売り上げが)8割くらい減っちゃった」
コロナ禍の2年間、花火大会などが軒並み中止。6代目の上條さんは、 “伝統の技”を守るため、今回のプロジェクトを立ち上げたといいます。
(華松煙火 6代目 上條僚士 専務)
「現場がなければ玉を作れないということ。腕が鈍っちゃうとか技術面でもできなくなる。技術の継承のために集まってくれた仲間たちにも感謝したい」

(花火を見た子どもたち)「すごくきれいだった」「また見たい」
(華松煙火 6代目 上條僚士 専務)
「中々打ち上げ機会もないですけど、また、いつかその日に向けて、いいものが見せられるように準備していきたいなと思います。」

▽7病院から搬送断わられ・・・発熱の88歳
本来13日までだった「まん延防止等重点措置」ですが、3週間の延長となりました。13日、東京の新規感染者は1万3074人。5日連続で前の週の同じ曜日を下回りました。重症者は前日より3人増えて65人、60代から100歳以上の12人の死亡が確認されました。

(救急隊員)「今救急車、全部出払っていて、すぐ向けられる救急車がないんですよ。」
救急搬送の逼迫は続いています。
(救急隊員)「肺炎ですか。熱は今あります?」
「39度?これコロナの濃厚接触とかありますかね。」
この日は、陽性者が出た高齢者施設から救急搬送の依頼も入りました。
(指令センター)「濃厚接触者に該当しているとのことです。」
高性能の“N95マスク”に付け替えて、患者のもとへと駆け付けます。
こちらの88歳の女性は、39度の熱があり、血中酸素飽和度も低下していました。搬送先探しを急いだものの、すぐには見つかりません。
(越谷市消防局 金川和生 救急隊長)
「7病院に連絡しました。8病院目で受け入れが可能になりまして、(第6波で)救急出動も増えて、病院も搬送(時間)が長くなっている感覚はあります。」
「88歳女性、搬送します。」
最終的に患者を受け入れてくれたのは、市外の病院でした。

軽症といわれてきたオミクロン株ですが、全国で新型コロナに感染して亡くなった人は、10日に過去最多の164人が確認され、13日まで7日連続100人を超えています。年代別の死者は、70歳以上の高齢者が全体の9割を占めています。

▽医師「コロナが直接の原因ではない」
東京・江東区の「あそか病院」。先月末から満床状態が続いていて、患者のほとんどが70歳以上の高齢者です。
(看護師)「お着替えしますよ。はい、上向きます」
寝たきりで介助が必要な患者も多く、現場の負担はさらに増しています。
(看護師)「(中心は)70代~90代までの患者様で、一番多いのは80代の患者様。コロナ病床の方を16床用意しておりましたが、本日までに18床の使用となっております。我々どもの病院はパンクしています」
軽症・中等症の患者を受け入れ、重症病床がないこちらの病院ですが、第6波で4人のコロナ患者が亡くなりました。全員80歳以上の高齢者です。
(あそか病院 白石廣照 医師)
「コロナ感染がきっかけで体内の免疫機能の異常、コロナが直接の原因ではなく、合併症によりお亡くなりになられております。」
4人は、いずれも感染の影響による「腎不全」や「誤嚥性肺炎」で亡くなっています。
(あそか病院 白石廣照 医師)
「元々、高齢者は免疫能力が弱っているところにコロナウイルスに感染することでさらに免疫能力が低下する。誤嚥性肺炎を起こした場合、通常の方と比べると増悪しやすい」
4人とも、3回目のワクチン接種はまだでした。
こちらの90代のコロナ患者も誤嚥性肺炎が悪化。満床状態が続く中、家族もこれ以上の積極的な治療は望んでいないといいます。
(あそか病院 白石廣照 医師)
「80代や90代で普段から介護度が高く、回復の見込みが薄いと判断した場合には、トリアージを行いまして、対応させていただいているのが実情です」
医療が限界を迎える中、白石医師は、ワクチン3回目接種が進むことに期待しています。
(あそか病院 白石廣照 医師)
「80代の方で、症状がほとんどなくて軽症のまま退院された患者様の中に、3回目ワクチン接種された方もいらっしゃいました。ウイルスが体内に侵入したとしても、抗体の濃度が濃ければ、ウイルスは増殖することはできませんので、症状を軽症化することが考えられます。ぜひともワクチンの3回目接種を受けていただきたい」

▽高齢者もワクチン3回目遅れ
(佐々木一真アナウンサー)
「ワクチンの3回目接種がなかなか進んでいません。65歳以上の高齢者でも接種率は20%程度にとどまっています。」
Q. ワクチンの3回目接種は?
(80代男性)「明日です。モデルナ。運が良かった。かかった場合ね、そろそろみんな高齢だから・・・」
(70代女性)「接種券は来ましたけど3月からなんですね、私の場合は」
Q. 3月にならないと?
「ええ、受けられないんですけど・・・」
Q. ワクチンの3回目接種は?
「まだ。順番がまだ回ってこない。打っておいた方が無難でしょうね。」

▽“一家感染”要介護の家族どうすれば?
高齢者への感染拡大が続く中、介護の現場は、深刻な事態に直面していました。
「お父さんおはようございます。ちょっとお熱測らせてくださいね、どうですか?調子は?」
「痰がからんでゴロゴロ言うてるんですけど、自分で出せないんです。」
こちらの一家は、家族全員が感染し、自宅療養中。90代の夫の介護を続けることが難しくなったといいます。
(ホームヘルパー)「お熱上がったりしていないですか?」
(妻)「私の方が(熱が)出たんでね。もうごっちゃになってしもうて」
(ホームヘルパー)「あまり無理なさらないようにしてもらって」
(妻)「重たいから」
(ホームヘルパー)「みんなでこけてしまったら、危ないですからね。」
この訪問介護の事業所では、先月から、ホームヘルパーに徹底した“感染症対策”の研修を行い、自宅療養している高齢者のケアに乗り出しました。
(ロジケア 佐野武 代表)「もともとコロナ関係なくですね、日常生活に支障のある要介護高齢者ということになるので、私たちも訪問させていただくとかなり深刻な状況の方もおられますので」
陽性者に対応できない事業者も多い中、必要な介護を受けられない自宅療養者は増えていると言います。
(ロジケア 佐野武代表)「陽性で隔離対象で、おうちから出られない状況で、何日も必要なケアが受けられないままというのはやはり“療養”とは言えませんし、その方たちが入院できないのであれば、せめて在 宅の部門、チームでフォローできる体制が望ましいと思っています。」

2月13日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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