日韓 12年ぶり「シャトル外交」 岸田総理を異例“おもてなし” 両首脳“歩み寄り”(2023年5月8日)
関係改善が加速しそうです。7日、ソウルで行われた日韓首脳会談で、韓国側は異例づくしの対応で岸田文雄総理大臣をもてなしました。
■日韓 12年ぶり「シャトル外交」
韓国・尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に導かれ、カメラの前に立った岸田総理。握手を求めた尹大統領は、満面の笑みを浮かべます。岸田総理もわずかに歯を見せるなど、柔らかな笑顔です。
岸田総理:「2カ月足らずの間に、既に様々な対話がダイナミックに動き出しています」
3月に日本で行われた日韓首脳会談からわずか52日。今度は、韓国で会談を行うことになった2人。日韓関係の改善を加速させるため、首脳同士が互いに行き来する「シャトル外交」を12年ぶりに再開させました。
デモ参加者:「謝罪しろ!謝罪しろ!謝罪しろ!」
ソウル市内では、岸田総理の訪韓に反対する人たちがデモを行う一方で…。
「岸田総理様の訪韓を心から歓迎いたします」という、韓国の保守派が岸田総理の歓迎の垂れ幕を掲げるなど、世論が二分されているようです。
■“レッドカーペット”で歓迎
しかし、韓国政府による岸田総理へのおもてなしは、異例ともいえるものでした。
韓国の大統領室の前で行われた岸田総理の公式歓迎式の映像。盛大な音楽が響くなか、日韓の首脳が夫人と共にレッドカーペットを歩きます。
韓国メディアによると、尹大統領の就任以来、最も盛大な規模で行われたということです。
ANNのカメラは同行取材が許されなかった、首脳会談中の夫人たちの動きを独自にキャッチしました。両夫人はソウル市内にあるジンガン寺が運営する文化体験館で、親睦を深めたとみられます。
さらに、警備も異例の厳戒体制でした。
韓国政府の関係者:「元々、日本は最高等級の警護対象国ではないが、今回の重要な事案を考慮し、一時的に警護体制を最高等級に上げた」
■公邸でプルコギも「国賓級もてなし」
首脳会談の後は、尹大統領が住むソウルの公邸で夕食会が開かれ、ブランド牛「韓牛」の炭火プルコギや伊勢エビを使った宮廷料理など、高級な韓国料理と最高級の韓国の清酒で総理夫妻をもてなしました。
龍谷大学 李相哲教授:「今回の岸田総理の訪韓は、実務訪問ですよね。ですが、もてなしは国賓級だと韓国では言われている」
■原発処理水 韓国視察団受け入れ
7日に行われた会談では、両首脳から徴用工問題など歴史認識を巡り悪化していた日韓関係の“雪解け”を思わせる発言も飛び出しました。
尹大統領:「両国が過去の歴史を完全に整理しなければ、未来の協力のために、1歩も踏み出せないという認識から脱する必要がある」
岸田総理:「多くの方々が過去のつらい記憶を忘れずとも、未来のために心を開いてくださったことに胸を打たれました。私自身当時、厳しい環境の下で多数の方々が大変苦しい、そして悲しい思いをされたことに心が痛む思いです」
会談は当初の予定より長くおよそ2時間行われ、北朝鮮の核・ミサイル開発などに対し、アメリカも含めた協力を強化していく方針で一致ということです。
また、岸田総理は、韓国で反発が強い福島第一原発の処理水の海洋放出を巡り、今月、専門家の現地視察団を受け入れると明らかにしました。
■「イメージ良い」「気兼ねなく…」
日本に来ている韓国の人たちも、日本との関係改善に前向きです。
韓国人男性(20代):「若い人たちは(日本の)アニメとかドラマ、映画が好きだから、日本のイメージは良いです」
韓国人女性(20代):「国同士が近くて、頻繁に旅行に行ける距離だから、関係性がさらに良くなって、皆が気兼ねなく過ごせたら良いです」
(「グッド!モーニング」2023年5月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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