不要のアクリル板“リメイク” 「もう一度新しい商品に」…すでに身近な場所で使用も(2023年5月5日)
コロナ禍の3年間で日常の風景となった「アクリル板」。大量廃棄も懸念されるなか、新商品へとリメイクする取り組みを取材しました。
■不要のアクリル板“250枚”「どう廃棄したらいいか」
飲食店やオフィスなどの感染対策として設置されていたアクリル板。
atama plus 総務チーム 山下翔史さん:「倉庫のこちらに今、間仕切りはすべて解体して保管しています」
学習塾向けの教材を開発する会社では、マスクの着用が個人の判断となった3月13日からパーティションを撤去しました。
びっしりとオフィスを埋め尽くしていたアクリル板が、今はすべてなくなり、すっきりとした状態になっています。
山下さん:「一人ひとりの空間がパーソナルにすべて囲えるような状況にしていた」
来客のある社外対応の会議室だけは現在も設置していますが、不要となったアクリル板はおよそ250枚もあり、捨てられずにいるといいます。
山下さん:「だいたい150万円ぐらいかかりました。このご時世がどうなるか分からないので、また何か起こった時用にしばらくは倉庫で保管しておきたい。どうやって廃棄したらいいかもまだ分からないなと思っていて、リサイクルがあるのか、買い取りしてもらえるのか」
■古いアクリル板→“再生アクリルシート”に
8日から新型コロナが「5類」に引き下げられるのを前に、使われなくなったアクリル板が集められている場所があります。
関東の飲食店やオフィスで使われていたというアクリル板、その量およそ2トンです。
プラスチックを加工販売する会社では、昨年末からアクリル板を引き取るキャンペーンを開始しました。
緑川化成工業 中村剛課長補佐:「使用済みの飛沫(ひまつ)防止パーティションを回収させていただいて、再資源化を行い、次の新しい商品に生まれ変わらせるという事業を行っております」
どのようにして新商品へと生まれ変わるのでしょうか?
中村課長補佐:「集められた飛沫防止パーティションは一度、破砕を行います。その次にさらに細かい状態に粉砕という工程に入ります。同時に水での洗浄を行います。その後は熱をかけて、いったん溶かしてペレットという原料の状態にします。さらにもう一度、熱が加わって溶かされます。そして、板の状態に成型をしていくかたちになります」
集められた古いアクリル板が、新品同様の再生アクリルシートになりました。
■捨てられる形ではなく…「新しい商品に」
ここからさらに加工をして、様々な商品に生まれ変わっていきますが、実は、すでに私たちの身近な所で使われています。
それは、駅の案内表示板のカバーです。都営地下鉄のすべての駅に設置されています。
新型コロナ対策緩和の動きにより問い合わせが殺到しているこの会社。倉庫に保管されたアクリル板は、来週には20トンに達するといいます。
中村課長補佐:「実際に『5類』に変わったタイミングで廃棄というものを考えているというお話が多いので、やはりゴールデンウィーク明けからかなり増えてくるのではないか。コロナ禍になって約3年経ちまして、いよいよそれが不要になっていくと。それらが捨てられるという形ではなく、もう一度新しい商品に生まれ変わるという道筋を私たちはたてていく」
(「グッド!モーニング」2023年5月5日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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